清明の頃

4月5日~19日は、二十四節気で「清明」に当たる。「清明」とは、万物が清らかで生き生きとした様子を表す「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」を略した季語で、花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃のことを言うそうだ。

 

気候は温暖になり、一年でも最も過ごしやすい季節なのだろう。新年度が始まり、学校の新入生や新社会人が希望に胸を膨らませて、新しい生活が始まる時期でもある。

 

 

清明の頃の私の日常を綴ります。

 

4月5日(水)

8:30からの早朝テニスに行く。コートのサクラは、2割ほどの花びらを残す葉桜となっていた。

 

 

空は青く爽やかな風が吹いていて、清明らしい気候ではあったが、風には大量の花粉が混入していたらしく、目が痒くなるは鼻水が出るはの花粉症の症状が出て不快な思いをした。

 

一緒にプレイしていたSさんは「花粉も今は杉から檜に移っていて、大分楽になった」と言っていた。私は3月頃より症状がひどくなったようなので、私の花粉アレルギーは檜なのであろうか?

 

この日のWさんは、3月に20日間ほどかけてネパールへ旅行に行って帰って来ての参加である。ネパールからインドへ行く予定であったが、入国拒否されて叶わなかったそうだ。お土産にネパールで入手したというスマホケースをいただいた。私は丁度新しいケースを捜していたので、グッドタイミングだった。

 

テニス後、Sさんとマックへ行き、コーヒーを飲みながら談話する。Sさん本人は健康で、毎朝のラジオ体操と週3回のテニスを楽しんでいるが、奥さんの体調があまり芳しくなく、今も病院通いが多いので、これから先が不安だと漏らしていた。

 

私の贔屓(ひいき)の朝之山については、彼の見立てでは、白鵬や復活して番付を上げてきた時の照ノ富士のような絶対的な強さが見られないという。すんなりと大関に復帰するのは難しいのではないかという見解だった。

 

14:30 歯科医院に行く。右上親不知の奥歯が、その下の歯を数年前に抜歯したので、支える歯が無くて下がってきて少し動くようになった。担当医師から「この歯も抜きましょう」と言われ、抜歯することとなった。

 

下の歯の抜歯した時の記憶がなく、奥歯の抜歯ということで、緊張して椅子に座る。医師は抜歯する歯の横の歯肉に麻酔注射をしてしばらくすると、医療器具の「ヤットコ」でいとも簡単に歯を抜いた。

 

奥歯なのにこんなに簡単に抜くことができるものかと感心する。後は止血の為にガーゼを咥えて時間の経過を待つのみなのだ。「血液サラサラ」の薬を飲んでいるせいか、当日は血が完全に止まらず、口の中が気持ち悪く何回も何回もうがいしたが、翌日には止血した。

 

4月6日(木)

午前中弱い雨が降っていたが、昼には止んだ。12:30からのテニスはコートがオムニ(砂入り人工芝)なので、中止にはならなかったが、風が強くボールが流されたり止まったりして、プレイするには最悪な条件だった。

 

テニス後、公民館のS卓球に向かう。この日の参加者は6人と少なく、前半のラリーは、3台の卓球台で丁度良く、密な練習ができた。後半のゲームでは、いつものようにダブルスで、対戦相手やペアは、くじで決めるので、卓球の上手い下手は関係なく、ワイワイ言いながら皆で遊び感覚で楽しんだ。

 

夜、You Tube  で春風亭一之輔の古典と桂文枝新作落語を視聴した。

 

4月7日(金)

8:30 リハビリセンターに行く。この日ストレッチ体操を指導して下さる理学療法士のMさんが休みだったので、自主トレで済ます。歩行マシンや筋力アップのマシントレーニングでは、いつものように大量の汗をかく。テニスや卓球よりも汗の量は多い。

 

来週の金曜日は、ペースメーカーの定期検査で病院へ行くので、リハビリは振り替えで水曜日を申請した。しかしその日は現在定員いっぱいで、どなたかがお休みして空きがでないと難しいと言われる。その時は卓球を休んで木曜日にしようと思う。

 

帰宅して直ぐに風呂へ入る。汗をかいた運動の後の入浴は、ことのほか気持ちが良い。

 

夜、CS放送を録画しておいた昔のドラマ「Dr.コトー診療所2006」を見る。このドラマは、沖縄の離島に勤務することとなった、スーパー外科医が、設備面や人的にもハンデを負いながら、島民の医療の為に奮闘する話だ。

 

この医師が、看護師と役所から派遣された事務員を助手にして島の患者を手術する場面が、何度もあるが、ドラマとは言えリアリティに欠けるきらいがある。クモ膜下手術のような頭の手術も成功させてしまう。話の展開としては、仕方ないかもしれないが、島での手術の限界、失敗というものも、描かれたならば、もっと深みのある作品になったと思う。

 

4月8日(土)

午前中にスーパーへ買い出しに行く。毎回、2ℓの天然水を段ボール一箱(6本)買うのだが、この日の天然水は通常価格で、特売日より200円近く高かったので、今回は止める。

 

野菜売り場では、タケノコ、ふき、春キャベツ、新玉ねぎ、新ゴボウ、うど、などの春が旬の野菜が並び、売り場からも春の息吹が感じられて心和む。

 

先日ラジオで、塩分摂りすぎの対策として、排出を促すカリウムを多く含む野菜、果物の摂取が好ましいと言っていたのを思い出し、リンゴを買った。

 

4月9日(日)

今日は統一地方選挙の投票日だ。私の居住区では、「県知事」「県議会議員」「市長」「市議会議員」の四つの選挙が行われる。地方選挙は国政選挙より我々の身近な存在であるはずなのだが、知らない候補者が多い。

 

投票には行くつもりだが、誰に投票するかはまだ決めていない。私は完全な無党派層で私の票は浮動票だ。 

 

このところの雨で、サクラはすっかり散って葉桜となってしまったが、替わってハナミズキが目を楽しませてくれるようになった。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年のサクラ

今年の桜は全国的に開花が早く、東京では春の彼岸の頃には満開との報が流れた。私の住む近辺でも3月25、26日の週末には満開となったが、雨が降って花見には生憎の空模様だった。

 

地球温暖化のせいか、最近は3月中に満開となり、私の子供の頃のように満開のサクラの下で入学式を迎えることは少なくなった。それと昔は、桜の開花は南の九州からサクラ前線が徐々に北上してきたものだが、近年は東京他大都市の開花が地理的に南の地方より早い。

 

当地では、その後も雨や曇りの日が続いたが、3月末の久しぶりに晴れた日に、近所の花見に出かけた。その数日は気温も低かったので、サクラはまだ満開状態が続いていた。

 

             幼稚園のサクラ

 

             メインストリートのサクラ

 

                公園のサクラ

 

 

 

                 団地の一本桜

 

毎年、満開の桜を見ると、「日本人に生まれて良かった」と幸せな気分となる。サクラには見る人に安らぎを感じさせ、人の心を和ませる不思議な力がある。そしてサクラを見ている人は、皆穏やかな良い顔をしている。

 

以下にサクラに纏(まつ)わるエピソードを綴ります。

 

1⃣ ソメイヨシノ

日本のサクラの8割を占めるというソメイヨシノは、江戸時代後期に染井村(現在の東京都豊島区)の植木職人によって作り出されたと言われている。育てやすく、花が一斉に咲いて花見に向いていることや、一斉に潔く散る様子が日本人の感性にあっていることから全国に広がったようだ。

 

ソメイヨシは、交配ができないので、一本の原木から接ぎ木で増やしていった。全国のソメイヨシノは、同じ遺伝子を持つクローンなのだそうだ。そのためその地域で気温などの条件が揃えば、一斉に咲き始め、満開となって一斉に散っていくと言うことだ。

 

満開のサクラも良いが、これから花びらが一斉に散って舞う「花吹雪」や池や川の水面が一面桜の花びらで埋め尽くされる「花筏(はないかだ)」の現象は日本ならではの風物詩なので、サクラの最後のクライマックスを存分に満喫したい。

 

写真ACより     cheetah   さんの作品     花吹雪

 

写真ACより     あるまんど さんの作品    花筏

 

 

2⃣ 西行

サクラ時期になると、桜をこよなく愛した「西行」がよく話題となる。

 

春風の 花を散らすと 見る夢の 覚めても胸の さわぐなりけり

 

西行平安時代末期から鎌倉時代始め(源平盛衰期)を生きた歌人である。武士として生まれたが、23才で出家し、花(特にサクラ)を愛し、自然を愛し全国を旅して数々の名歌を残した。(新古今和歌集には、94首選定されている)

 

願わくは 花の下にて 春死なん その如月(きさらぎ)の 望月(もちずき)の頃

 

西行の最も有名な一首であるが、如月は西暦の3月頃で、西行は念願通り如月の満月の頃に亡くなったという。幸せな人だ。

 

3⃣ 高月美樹さん

ネットを見ていて、高月美樹さんのサクラに関する記事が目にとまった。高月さんは和暦の研究家で、「和暦日々是好日」を制作発行している方だ。その記事はとても素敵でこの季節に誠に相応しいものだったので、その一部を紹介します。

 

「・・・桜、昼も良し夜も良し、今も昔も人々は桜が咲くと誘いだされるように外に出て、そぞろ歩いている。『今宵あう人みな美しき』はまさにその通りで、立ち止まっては花を愛でる人々の姿もまたごちそう、行き交う人々の表情も和やかで皆美しく見える。

 

桜人(さくらびと)は桜を思い愛でる人を表す言葉です。花人(はなひと)ともいいます。今年も互いの無事を祝福しつつ『桜人』になりましょう。・・・」

 

4⃣ サクラの妖艶さ

梶井基次郎桜の樹の下には」 坂口安吾桜の森の満開の下」には、サクラの妖艶さが描かれているが、それについては、2021年3月31日にアップした本ブログ「サクラが咲いた」に記載しましたので興味のある方は参照ください。

 

 

春場所の朝之山

先の初場所、西十両12枚目の朝之山は、14勝1敗で十両優勝した。2月27日春場所の新番付が発表され、朝之山の幕内復帰が期待されたが、それはならず東十両筆頭と十両に留まることとなった。

 

新番付編成にあたり、幕内から十両に陥落するする力士は3人引退1人で、幕内の空き数は4人、それに対して十両からの昇進候補は5人いて、朝之山は順位では5番目だった。

 

先場所優勝していること、幕内上位陣が安定していないこと、人気実力ともに兼ね備え、相撲興行的には魅力があることから、朝之山の返り入幕もあるのではないかと考えていたが、結果はならなかった。

 

幕内に昇進できなかったことは残念ではあるが、気持ちを切り替え、今場所は正々堂々と誰が見ても文句のつけようがないような成績を残して来場所幕内に復帰してもらいたいと思う。

 

春場所前の稽古で、朝之山の所属する高砂部屋へ、霧馬山、若隆景、若元春らの三役ほか関取衆が出稽古にきた。

 

朝之山は彼らとと申し合いをし、26番取り20勝6敗と圧勝している。三役以上の力士と取るのは、不祥事以来のことで「稽古前は正直怖かった。押し込めるかなとか簡単に押されるのではないかという気持ちがあった」と心配したそうだが、全然衰えてはいなかった。幕内でも十分戦える順調な仕上がりである。

 

 

3月12日、大阪の春場所が開幕した。春場所の朝之山の取組を見てみよう。

 

⑴ 初日 水戸龍戦

初日の朝之山は、21年夏場所以来の幕内の土俵に上がることになった。対戦相手は前頭17枚目の水戸龍

(取り口)朝之山は、立ち合い鋭く右の下手を取り出ていく。左上手は引けずバンザイの形になるが構わずそのまま寄り切った。   (決り手) 寄り切り 朝之山 1勝

 

初日の硬さがあり、十分な形になれなかったが、勝ててまずは一安心。

 

⑵ 2日目 千代の国戦

(取り口)立ち合い千代の国のもろ手突きで、朝之山は少しのけぞったが、その後千代の国が引いたところを前に出て押し出す。  (決まり手) 押し出し 朝之山 2勝

 

 

⑶ 3日目 東白龍戦

(取り口)東白龍は突っ張りとのど輪で東土俵まで一気に攻めるが、朝之山はこらえて回り込む。その後動き回る東白龍に必死でついていき東土俵に送り倒した。

                     (決まり手) 送り倒し 朝之山 3勝

 

⑷ 4日目 逸ノ城

逸ノ城は、昨年末朝之山同様、新型コロナウィルスの協会ガイドラインに違反して初場所の出場停止処分が下され全休となったため、今場所は十両3枚目まで番付を下げた。しかし昨年の名古屋場所では幕内優勝している実力派である。ここまで両者とも3連勝している全勝対決だ。   

 

(取り口)朝之山は、立ち合い左上手を取って西の土俵に寄っていく。逸ノ城は俵に両足を乗せてこらえ、朝之山の上手を切って逆に左上手を取ると逆転の上手投げを放って朝之山を下す。        (決まり手)逸ノ城の上手投げ  朝之山 3勝1敗 

 

朝之山は宿舎に帰ると、負けた映像を何十回と見て敗因は「上手が切れた状態で前に出た」ことと結論付ける。「結果は悔しいけど前に出て負けた。次に繋がる相撲だった」と気持ちを切り替える。「落ち込んでいる暇はない。寝て起きたら取組がくるので」と気落ちの様子は見せなかった。

 

⑸ 5日目 栃ノ心

栃ノ心大関経験者であるが、肩などの負傷で成績が振るわず、今場所は十両2枚目まで番付を下げている。 四つに組んでまわしを取れば、抜群の力を発揮する力士だ.

 

朝之山は「幕内時代は栃ノ心とはよく取っていたし、巡業では右四つをよく教えてもらっていた。今があるのは栃ノ心関のお陰」と感謝の念は忘れない。

 

(取り口)朝之山は立ち合いから鋭く踏み込んで右を差すと左上手もガッチリ掴んで一気に寄り切った。           (決まり手)寄り切り 朝之山 4勝1敗

 

 

⑹ 6日目 千代丸戦

千代丸とは幕内で1勝3敗と合口の悪い相手だ。

(取り口)朝之山は、立ち合い踏み込み、相手のもろ手突きにも構わず前に出て一気に突き出した。             (決まり手)突き出し 朝之山 5勝1敗

 

  

⑺ 7日目 湘南の海戦

朝之山、湘南の海ともに四つ相撲の力士で、得意手は朝之山右四つ、湘南の海左四つのケンカ四つである。

(取り口)両者立ち合い直ぐに四つに組む。朝之山は相手十分の左四つ右上手を許し、巻替えの応酬となる。朝之山は上手を取れないまま寄った土俵際で、湘南の海の上手投げに身体は傾けながら残し、左下手投げを打ち返して勝負を決めた。

                    (決まり手)下手投げ 朝之山 6勝1敗

 

 

朝之山は、土俵際の投げの打ち合いで顔面から落ち、しばらく立ち上がらなかったので、怪我でもしたかと心配したが、軽い脳震盪だったようだ。右目下に大きな擦り傷を被った。

 

朝之山は、「手を付いたら同体、手を付かずに顔から落ちて良かった。コロナ前なら手を付いていた気がする。絶対に負けたくない気持ちがあった」とこの相撲を振り返っている。

 

⑻ 中日 欧勝馬

大阪は、朝之山が近大の学生時代を過ごしたところで、第二の故郷だ。大阪で応援して下さる方々へ感謝の気持ちを伝えたくて、中日から土俵入りの化粧まわしは、大阪後援会から贈られた「大坂城」をデザインしたものにしている。

 

 

 

(取り口)朝之山は、立ち合い後圧力をかけて押し込むと、いなしてからはたき込みを決めた。            (決まり手)はたき込み 朝之山 7勝1敗

 

 

⑼ 9日目 狼牙(ろうが)戦

(取り口)両者右の合四つなので、立ち合い後すぐにお互い右差し左上手の形になるが、ここで朝之山は一気に左からの上手投げで狼牙を下した。

                (決まり手)上手投げ 朝之山 8勝1敗の勝ち越し

 

 

⑽ 10日目 炎鵬戦

朝之山は、動きの激しい小兵力士とは取りにくいのだろう、幕内での対戦は1勝1敗だ。

(取り口)立ち合い後、炎鵬が中に入ろうとするのを、朝之山は前さばきで入れさせない。炎鵬は左の前まわしを掴んで頭を朝之山の胸につける。炎鵬は引いたり回り込んだりして勝機を窺うが、朝之山は炎鵬の身体を起してじわじわと土俵際へ寄っていき寄り倒した。               (決まり手)寄り倒し  朝之山9勝1敗

 

十両優勝争いは、この時点で 1敗:朝之山、逸ノ城  2敗:豪ノ山、落合

              

 

⑾ 11日目 豪ノ山戦

(取り口)立ち合い豪ノ山は朝之山の胸にぶちかまし、がむしゃらに寄っていくが朝之山は下がらない。ここで朝之山は左上手でまわしを深くしっかり取る。豪ノ山が下手投げで振って身体を低くして寄っていくと、朝之山は土俵際で逆転の上手投げで豪ノ山を下した。             (決まり手)上手投げ  朝之山10勝1敗

 

優勝争いはこの日逸ノ城が落合に勝って、朝之山とともに1敗  豪ノ山、落合は3敗

 

 

⑿ 12日目 王鵬戦

初日以来2度目の幕内の土俵に上がる。本日の対戦相手「王鵬」は、昭和の大横綱大鵬」の孫で、朝之山が6場所謹慎休場している間に、入れ替わるように新入幕している前頭15枚目の幕内力士だ。

(取り口)立ち合い朝之山は右を差し得意の形になりかけたが、自ら抜くように右腕を引いた。そこへ王鵬が右を差しもろ差しとなり一気に攻め立てる。朝之山は防戦一方で寄り切られた。          (決まり手)王鵬の寄り切り  朝之山10勝2敗

 

優勝争いは、逸ノ城1敗、朝之山2敗 豪ノ山3敗となり、朝之山は逸ノ城と並んでいたが一歩後退する。

 

私は対戦前まで、朝之山は王鵬に対しては、比較的に簡単に自分の形になって勝負を決めることができると思っていた。しかし実際は、朝之山は自分でも分からないまま、右手を引いて墓穴を掘ってしまった。朝之山は自分の不甲斐なさを深く悔やんでいた。

 

 

⒀ 13日目 天空海(あくあ)戦

(取り口)立ち合い朝之山は、相手に踏み込まれたが、右四つで組み止める。胸を合わせて寄ったが押し返された。さらに圧力をかけて前に出て、朝之山の右腕をたぐって反撃にでようとしている天空海を強引に押し倒した。

                     (決まり手)押し倒し 朝之山11勝2敗

 

 

優勝争いは、1敗の逸ノ城と、2敗の朝之山の2者に絞られた。

 

 

⒁ 14日目 島津海戦

(取り口)立ち合い朝之山は踏み込み、島津海が巻替えにくるところを出ていく。島津海はもろ差しになるが、朝之山は豪快な上手投げで決める。  

                    (決まり手)上手投げ 朝之山 12勝2敗

 

優勝争いは、この日逸ノ城が炎鵬に勝って13勝1敗としたため、明日千秋楽で決着することとなった。

 

 

⒂ 千秋楽 落合戦

落合は、先場所19才で幕下付け出しでデビューして、全勝優勝した。幕下在位一場所で十両に昇進し「令和の怪物」と呼ばれている。今場所も14日目まで10勝4敗の好成績だ。

(取り口)立ち合い落合は、身体を丸くして朝之山の胸にぶつかっていく。朝之山はまわしは取れずに寄っていくが、落合に残され逆に攻め込まれて両差しを許してしまう。なおも落合は攻め立ててもろ差しから一気に寄りに行くが、朝之山こらえる。しばらく両者動きが止まってから、落合が朝之山の身体を吊り気味に左に振る。この時朝之山は右上手を取って逆転の上手投げで落合を土俵に転がした。

                    (決まり手)上手投げ 朝之山13勝2敗

 

朝之山は絶体絶命の大ピンチから、良く辛抱して逆転した。落合も負けはしたが、相撲の上手さをいかんなく発揮した好勝負だった。

 

十両優勝争いは、逸ノ城が勝って14勝1敗として優勝した。

 

   

春場所の朝之山は13勝2敗で、目標の十両連続優勝はならず、準優勝に終わった。よくやったとは思うが、15日間の取組を見ていると、課題も目に付いた。立ち合いの攻めは良い時もあるが、差しで争いに負けたり、相手十分の形になってしまう事が多々見られた。

 

来場所は幕内に復帰できそうであるが、幕内では更に相撲の上手い力士が多いので、稽古で「鋭い立ち合いの技」を磨いて欲しい。朝之山は毎回その日の取り口の悪いところを反省しているので、自分が一番よく知っているはずだ。来場所の更なる飛躍を期待する。

なんでだろう?

3月18日、春の彼岸の入りを迎えた。今年の冬は例年よりも寒く感じたが、「暑さ寒さも彼岸まで」の諺(ことわざ)通り、彼岸にはすっかり春めき暖かくなった。東京のソメイヨシノも、予測より更に一日早い13日に開花宣伝された。

 

これから桜も咲いて、春爛漫の季節を迎える。今年はこの3年コロナで、自粛していた諸行事がコロナ前のように再開される所が多く、久しぶりに解放感に満ちた春を楽しめそうだ。

 

先日春の穏やかな空をぼんやりと見ていて、子供の頃が思い出され「そういえば子供の頃、いろいろなことを不思議がっていたよな~」と懐かしく思った。

 

そこで今回は、お笑いコンビの「テツandトモ」よろしく、子供の頃に「なんでだろう?」と不思議に思っていたことを取り上げます。

 

1⃣ 三日月

小学校2年生の時、夕方近所の女の子と二人並んで三日月を見ていて閃(ひらめ)いた。「あの三日月の黒いところは、地球の影に違いない」と確信して、隣の女の子に「あの三日月はね、太陽と地球と月が一直線になって、地球の影で三日月に見えるんだよ」と自慢気に説明した。

 

      写真 ACより   にょんタロスさんの作品

 

後にそれは月食のことで、見ていた三日月の説明としては全くの間違いと気付いた。女の子は覚えていないと思うが、嘘を教えてしまった。そして、地球の影でないとすると、半月や上弦の月は、何であのような形にの見えるのだろうと、3年か4年生の理科で習うまで、そのことが不思議でならなかった。

 

2⃣ 夜汽車の月

夜汽車に乗っていて、目の前や遠くの景色はどんどん後ろへ遠ざかっていくのに、月は汽車と同じ方向に動いているように見える。そして汽車がいくら走っても、どこまでもついてくる。「なんでだろう?」と不思議だった。

 

まだ当時は、距離の無限大の概念が理解できなかった。

 

3⃣ 動く太陽

中学校1年生の時、同級生と雑談をしていて、「太陽は動いているか」が話題となった。私は、月が地球の周りをを回り、地球が太陽の周りを回っているのだから、太陽も何かの周りを回っているのに違いないと思い付きで想像した。

 

同級生は太陽は静止していると主張する。私は、根拠はないが自分の考えが正しいと思い理科の先生に訊いてみようということになった。二人で休憩時間の職員室へ行って「太陽は動いていますか?」と質問した。

 

先生は、私の質問が目に見える朝から夕方の太陽の動きのことを言っていると思ったらしく、「地球が自転しているから太陽が動いているように見えるけれど、実際は太陽は止まっている」と、中学生にもなって、そんなことも知らないのかというような口ぶりで答えた。

 

私は先生の前で、上がってしまって、「そうではなくて・・・」と反論もできずに、「ありがとうございました」と頭を下げて、すごすごと職員室を後にした。

 

その後、太陽系は銀河系の中に有って、銀河系はその中心を軸にして回転しているので、大きな視点で見れば、当然太陽も動いていていることを知る。私の直感の考えは正しかった。

 

4⃣ 潜水艦

子供の頃見た映画で、海に潜った潜水艦から外に出入りするのに、底のハッチを開けても海水が艦内に入ってこないのが不思議だった。

 

後に艦内の密閉した空気圧が海水圧に抗しているからと推察したが、当時は「なんでだろう?」と思って理解できなかった。

 

5⃣ コップの水

コップに水を縁までいっぱいに注ぎ、薄い紙を乗せてそのコップを逆さまにしても、コップの水は紙が外れて下へ落ちるようなことはない。コップに留まったままだ。

 

これも、どうして水は落ちないのだろうと不思議だった。後に理科の授業で、大気圧がコップの水を押し上げていると教えられた。子供にとって目に見えない大気圧を想像することは難しかった。

 

6⃣ 水玉

里芋の葉の上の水は、固形物のように玉の形でコロコロしている。それをつまむと更に小さな水玉になる。水なのに液状でないのが子供心に新鮮で不思議だった。

 

これも後に、水の表面張力と葉の撥水性によるものと学習するが、子供の頃は理屈よりも球形の水の存在自体が面白く、見ていて楽しかった。

 

6⃣ 海水

池とか川の水が真水なのに、それが流れ込む海の水はしょっぱくて、塩分濃度が薄まらないのは何故だろうと思っていた。

 

子供の頃は、地球の何億年の歴史の中で海が生まれ、陸地の成分が海に溶け込み蓄積されたこととか、海水濃度が薄まらないのは、地球上の水の割合は海水が圧倒的に多いことや、蒸発と雨でバランスされているということは分らなかった。

 

7⃣ 慣性

走っている電車の中で、飛び跳ねても、飛び上がったところへ着地する。時速60㎞(秒速17m)で走る電車の中で1秒間飛び上がっても、進行方向の逆側に17mのところに着地するわけではない。

 

これは、飛び跳ねる人間も慣性で電車と同方向に、時速60㎞で動いているからだ。子供の頃不思議に思ったこのことは、中学か高校の物理を習って納得した。

 

8⃣ 樹氷(エビの尻尾)

これは大人になってからの勘違いだ。スキー場や雪山では、樹氷(エビの尻尾)を見ることができる。樹氷の氷の成長は、風の力で吹く風の後方に成長するものと長年思っていた。

 

           写真ACより   風龍さんの作品

 

実際は、吹いて来る風の風上側に向かって氷の結晶が成長していると知ったのは最近のことだ。

 

 

 

何れも他愛もないことではあるが、子供の頃の疑問が後に教えてもらったり、学習したりして解けた時は嬉しいものだ。

 

近年は、年を取ったせいもあるだろうが、「なんでだろう?」と思うことが極端に少なくなった。悲しいことだ。好奇心はいくつになっても持ち続けたい。

三月第ニ週

3月に入って急に暖かくなった。当地では7日以降の最高気温が、20℃近くかそれを超える日が続き、4月下旬頃の陽気となった。この暖かさでスギ花粉が大量に飛散し、車のボンネットや屋根は埃とともに黄色の花粉が付着するようになった。こんな状況なので、布団干しは控え、洗濯物も外干しは止めて、室内干しにしている。

 

桜も開花真近となり、東京の開花予想は全国で一番早く、ウエザニュースは3月15日頃と予測している。開花すると花見シーズンが到来だ。今年はこの3年コロナで中止されてきた花見関連行事が再開されるケースが多く、コロナ自粛に疲れた人々で大いに賑わう事だろう。

 

今は近所のお宅のミモザが満開だ。

 

 

私の生活は相変わらずの、平凡な日々が続いている。3月6日~11日の日常を綴ります。

 

 

3月6日(月)

この日は二十四節気啓蟄(けいちつ)。啓蟄とは土の中で冬ごもりをしていた生き物たちが、目覚める頃のことだ。啓蟄というと、その昔、先輩の結婚披露宴に都内のホテルに招かれた時のことを思い出す。

 

その日は啓蟄で、天気は寒くて曇っていたと思う。来賓の方が祝辞で「・・・今日は啓蟄です。土の中の生き物たちが、地上に出て爽やかな風と麗かな春の光を感じて新しい生活を始める日です。まさにお二人の門出を祝うに相応しい日であります。・・・」というようなことを仰った(おっしゃった)と記憶する。以来「啓蟄」の言葉が耳から離れなかった。

 

午後、H卓球に行く。この日の参加者は6人と少なかった。いつもは、卓球台一台に3~4人でプレイする台ができるのだが、6人だと全ての台(3台)が二人ずつのプレイとなり、台を広々と使用でき快適だった。

 

夕食の献立の一つに、「アカガレイの煮付け」をつくる。魚の煮付けは、酒、しょうゆ、みりん、水、に砂糖を加えた調味液に魚を入れて、落し蓋ときせ蓋をして焚き上げるだけで簡単なのでよく作るのだが、この日砂糖を入れ忘れて焚き上げてしまった。

 

みりんが沢山入っているので、大丈夫かと思ったが、やはりしょっぱかった。焚き上げたカレイに砂糖をまぶして食べた。

 

 

3月7日(火)

午前中に洗濯をして、Kテニスに行く。この日も最高気温は18℃、上衣は半袖のTシャツで丁度良い。

 

休憩時間中に、ペットの話題となり、Tさんは何と犬2匹、猫4匹を飼っていると聞いて驚いた。人間は3人だそうだ。我が家も20年程前に、猫のチンチラを飼っていたが、その猫が死んでからはペットは飼っていない。時々又飼ってみたいとという気持ちも起きるが、将来の死別のことを考えると躊躇する。

 

14:20のテニス終了後、スーパーに寄って、次の卓球休憩時のおやつ(団子)を買って、S卓球会場の公民館へ向かう。

 

S卓球参加者は8人。この日元看護師の新人が入会した。初心者と聞いていたが、基礎もしっかりできていて、私の見立てでは、中級クラスと思われた。人柄も良さそうで楽しくやっていけそうだ。

 

練習会が終わり帰る段になって、最高齢のお婆ちゃんが、歩いて来たというので、彼女を自宅まで車で送る。

 

帰宅して小銭入れが無いのに気付く。入っている額も大したことないので、諦めようかととも思ったが、茶色の皮の入れ物は長年使用して愛着のあるものだった。どこで無くしたか思い巡らしたが、スーパー以外は考えられない。

 

財布だし、人混みのスーパーでは誰かに持って行かれてもしょうがないとは思ったが、ダメモトでスーパーへ行ってみた。店員さんに話すと、届け出があり店に保管されていて、ノートにサインをして返還された。

 

日本人は何と善良な市民が多いことか。外国では考えられないことだろう。届けてくれたお客さん、店のスタッフの親切な行動に感謝感激である。

 

私は、たまの外食とコンビニの支払いは電子決済のPayPayで済ませているが、スーパーは現金支払いだ。将来電子決済が増えれば、財布も不要となり、このようなトラブルも無くなるのかな。

 

 

3月8日(水)

8:30からの早朝テニスに行く。この日も朝から暖かく、半袖でプレイする。

 

このテニスのメンバーWさんが、海外に行くので今月いっぱいテニスを休むと言う。彼の話では、友人がボランティアとしてネパールの学校で活動していて、その卒業式に招かれて行くそうだ。その式に参加した後は、観光でネパールからインドに旅行するという。話を聞いて羨ましかった。

 

テニス後、テニス仲間のSさんとMACでコーヒー&雑談をする。

 

昨日の「H3ロケット」打ち上げ失敗について、Sさんは「このところ日本の技術力が落ちているのかな~。国産ジェット旅客機の開発も頓挫したし・・」と残念がる。一昔前には、半導体分野でも日本は世界のトップを走っていたが、今は全く駄目だ。

 

医療分野でも、コロナのワクチン、新薬の開発で日本は後れを取った。自動車も電気自動車の開発となると、国内メーカーも頑張ってはいるが、これまでのエンジン自動車のように世界のシェアを制することができるかは予断を許さない。

 

日本の特許出願件数もアメリカや中国に水をあけられてきた。世界大学ランキングでも、100位以内は東大と京大のみで、しかもこの3年2校とも毎年順位を下げている。日本はこれから人口が減少し、国力が落ちていくのに、その上技術力まで落ちたら先行き明るい展望が持てない。

 

暗い気持ちになりながら、Sさんとは「日本の各分野の技術開発担当者に頑張ってもらうよりしょうがないか」と語り合って別れた。

 

3月9日(木)

野球のWBC、日本の初戦(中国戦)が東京ドームで行われた。私は天邪鬼(あまのじゃく)で、国民の大半が熱狂するような、オリンピックとか、サッカーのワールドカップの試合は敢て見ないようにしている。

 

今回のWBCは、金曜リハビリのYさんが、特別に思入れが強く日本の活躍を期待している。今年は大谷翔平選手やダルビッシュ有選手も参加し、「これまでの最強チーム」と前評判も高い。大谷選手の「投手、打者の二刀流」をじっくり見てみたい気持ちもあって、話の種に「中国戦」を見ることにした。

 

大谷選手は、投手としては、4回無失点、打者としては2点タイムリーツーベースを放って、期待通りの活躍をした。テレビでだが、まじかにプレイを見ると、彼の逸材ぶりが良く分かった。

 

試合は8対1と日本の快勝だったが、試合時間が長すぎる。5回まで見てテレビを消した。

 

3月10日(金)

リハビリでYさんに会うと、彼女は興奮ぎみに昨夜のWBC観戦を話してくれた。6時までに夕食を作り終わり、テレビの前のソファに座って最後まで見たという。9時頃旦那さんが帰ってきて、旦那さんとビールを飲みながら観戦したそうだ。

 

「今日の韓国戦は、ダルビッシュの先発で、相手も強敵だし是非見てください」と言われる。Yさんはこの日、お昼に友達とランチで3時頃に帰るので忙しいと言う。旦那さんには「昨日の残り物があるので、追加に何か買ってきて」と言ってあるとのことだ。

 

試合開始から1時間程見て、今日も途中でテレビを切った。やはり野球は試合時間が長い。私はセッカチなので1分以内に勝負のつく相撲の方が性に合っているようだ。ベッドでラジオ深夜便を聞きながら寝ていて、ニュースで日本が13対4で韓国に大勝したと知った。

 

3月11日(土)

スーパーへの一週間の買い出しには、いつも10時に出発するのだが、この日は寝坊して11時に行った。買い物を済ませ、いつものHさんにレジをしてもらう。

 

以前、Hさんが毎晩晩酌をしていると聞いたので、「お酒は何を飲んでいるのですか?」と尋ねると「焼酎!」と答える。「焼酎の種類は?」に対し「特に決めていない」と言うので「蕎麦焼酎がフルーティーでお薦めですよ」と私が飲んでいる焼酎をアッピールした。

 

弥生三月

森山愛子「恋草子」の歌の文句「さくら三月 弥生の頃は 胸に涙の 花吹雪」の弥生三月となった。サクラにはまだ早いが、桃の節句でお雛様を飾って女の子を祝う様子がテレビで流れると、「あ~ 今年も春が来たな~」と心が躍る。

 

        写真ACより   kakkiko  さんの作品

雛祭りというと、私には情けなくも恥ずかしい思い出がある。このブログにも一度書いたが、それは、小学校一年生の学芸会で、私は内裏様役に抜擢されたのだが、お姫様と踊る時のスキップがどうしてもできずに、左大臣役に降格されてしまったのだ。当時から、運動神経が鈍かったのかな~

 

今では小学生でも凄くダンスの上手い男の子、女の子が沢山いて、彼らの踊りをテレビや YouTube で見る度に、私にはとてもできないその素晴らしさに感嘆し、彼らに尊敬の念を覚える。

 

 

2月末の週は寒くて、屋外でのテニスは防寒衣を身に着けてプレイした。それが一週間後の3月第一週になると急に暖かくなって、帽子は汗でビショビショになったので、タオルを頭に巻いてサンバイザーを付け、上衣は半袖という夏バージョンの恰好でプレイした。

 

 

 

暖かくなるのは嬉しいことだが、その代わり花粉が飛散するようになる。私は花粉に対しては、例年目がかゆくなったり、くしゃみが出る程度の軽度の花粉症であるが、今年はここ数年では最も多く飛散するとの予報だ。くしゃみの回数が増えた気がする。

 

 

 

3月2日(木)この日は朝から良い天気で、テニス、卓球も無い日だったので、久しぶりに「川の流れ」でも見に行こうと思いつく。海辺で寄せては帰す波を見るのが好きだが、川の水が流れる様子を長時間眺めているのも好きだ。ついでに土手で土筆(つくし)でも探して、春を感じたいと思った。

 

川は、わが県の中央部を流れる一級河川。これまでは歩いて行くことが多かったが、徒歩だと我が家からは片道2時間以上かかるため、今回は安直に車で行った。

 

この川の中流部にあるキャンプ場を目指す。

 

駐車場に車を停めて、歩いて散策する。川沿いのソメイヨシノは、枝に蕾が付き開花の準備をしていると言ったところか。「蕾膨らむ」とまではいっていない感じだった。

 

 

 

川の水は滔々(とうとう)とほとんど音もなく流れていた。静かではあるが、連続して大量の水が移動しているということは、凄いエネルギーが派生しているのだと感心する。急流域のように、大きな波音をたてて一気に川を下るのとは違った川の懐(ふところ)の深さを感じた。

 

 

 

キャンプ場の周りは公園になっており、色々な木や花が植えられているがこの時期咲いている花は少ない。土手横の平地に紅色の花をつけた樹木が並んでいた。紅梅かと思って近づいて、よく見ると河津桜だった。

 

 

 

 

 

椿も咲いていた。盛りは過ぎているようだ。

 

 

 

路傍には鮮やかの黄色と紅色の花が咲いていた。

 

オキザリス・グラブラ(グーグルレンズ調べ)

 

 

アカヤジオウ(グーグルレンズ調べ)

 

 

 

川端の茶屋で甘酒を求め、川の流れを見ながら時間をかけてすすった。土手で土筆は見つからなかったが、春の息吹が感じられた半日だった。

 

 

 

梅の歌

二月になったと思ったら、来週はもう三月だ。二月は日にちも少ないこともあり、昔から「逃げる」と言って特に早く過ぎていくと感じる。

 

二月に入って、海外ではトルコ、シリアに大地震が発生し、東日本大震災以上の5万人を超える犠牲者を出した。何百万人と言う人々が家を失い、冬の寒空の下でテント生活を余儀なくされているという。緊急支援が叫ばれている。

 

シリア北部のアサド政権に対する反政府住民居住区も地震被害に遭っているが、救援物資が、十分に行き渡らないという。彼らは、普段アサド政権に弾圧され、その上地震の被害に遭っても十分な支援が受けられないというなんとも不条理な世界で生きていかなけばならない。

 

ウクライナでは、ロシアがウクライナに侵攻してから、1年となるが、一向に和平の兆しが見られない。まさにこういう時にこそ、国連の存在価値があるのだが、悲しいことに、国連は和平調停には全く機能せず時が経つばかりだ。その間にも双方の犠牲者は増え続ける。

 

海外では、暗く悲しい話題が続くが、国内に目を向けると、コロナ新規感染者数はかなり少なくなった。政府もコロナの扱いを5月に、2類から5類への移行し、マスクの着用も基本的には本人の意思に任せるという方針を示した。

 

私もこの方針には賛成だ。マスクも室内での買い物とか、卓球ではまだ着用しているが、朝ゴミ出しする時や、テニスのプレイでは外している。

 

行動制限が無くなり旅行も自由にできるようになって、一般市民の感覚もコロナに対しては、1~2年前と比べると随分と変化してきた。私もそうだが、過剰な警戒心が少なくなったようだ。

 

インバウンドも回復の基調なので、我々の生活も、少しづつでもコロナ前に戻ってくれるとありがたい。

 

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さて、季節も二十四節気の「雨水」(降る雪が雨へと変わり雪解けが始まる頃)を過ぎ、いよいよ春の花が咲くころだ。梅の時期でもある。梅はサクラのような艶やかな華やかさには負けるが、その香りの奥床さを愛でる人も多い。

 

現代では「花」といえば、桜を指すが、奈良時代には「花」は梅を意味していた。万葉集には梅の歌は桜の歌の3倍も収録されているという。

 

今回のブログのテーマは「梅」とし、「梅」に関わる歌を集めてみました。

 

まずは、艶っぽいお座敷歌から。

 

1. お座敷歌(端唄・小唄)

 

①「梅は咲いたか」

 


www.youtube.com

 

 梅は咲いたか 桜はまだかいな

 柳ャなよなよ風次第

 山吹や浮気で 色ばっかり

 しょんがいな

 

②「春雨」

         写真ACより   かっちゃんさんの作品

 

 春雨に しっぽり濡るる鶯の

 羽風に匂う 梅が香や

 花にたわむれ しおらしや

 小鳥でさえも 一筋に

 ねぐら定めぬ 気は一つ

 わたしゃ鶯 主は梅

 やがて身まま気ままになるならば

 サァ 鶯宿梅(おうしゅくばい)じゃないかいな

 サァサ 

 なんでもよいわいな 

 

 

2. 和歌「東風吹かば」

和歌では、何といっても菅原道真大宰府に左遷される前に読んだ「東風吹かば」が最も有名な梅の歌であろう。

 

「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」

 菅原道真拾遺和歌集

訳:東からの風が吹いたら、匂いを寄越しておくれ、梅の花。主がいないからといって、春を忘れるなよ。(これを聞いた梅は感動して一夜のうちに大宰府の道真のもとへ飛んで行ったという「飛梅伝説」がある)

 

  写真ACより  太宰府天満宮飛梅」の花  あさくらゆきさんの作品

 

 

3. その他の「梅」の和歌

ネットの「ジャパノート・梅の和歌 20選」と「短歌の教科書・梅の有名短歌(和歌)集30選」を参照し、その中から私の好みで10首選んでみた。

 

3.1 梅の和歌20選より

①「梅の花 かばかりにほふ春の夜の やみは風こそうれしかりけれ」

藤原顕綱(あきつな)(後拾遺和歌集

訳:梅の花がこれほど匂う春の夜の闇夜には、風が吹いているのが嬉しいものだ。

(春の夜の闇夜に、一面に梅の香りが漂っている様がうかがえる。)

 

②「酒杯(さかづき)に 梅の花浮け思うどち 飲みての後は散りぬともよし」

大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)(万葉集

訳:盃に梅の花を浮かべて思いにふける者同士、飲み終わった後は散ってしまうのもよい。

 

③「春の夜の 闇はあやなし梅の花 色こそ見えね香やは隠るる」

凡河内躬恒(おうしこうちのみつね)(古今和歌集

訳:春の夜の闇には彩(いろどり)がない。しかし梅の花は色こそ見えないが香りは隠れてしまうだろうか(いやそのようなことはない)(①同様、闇の中に香る梅の香りを楽しんでいる)

 

3.2 梅の有名短歌(和歌)集30選より

1⃣ 万葉集

④「春されば まづ咲く やどの梅の花 ひとり見つつや 春日くらさむ」

筑前守山上大夫(ちくぜんのかみやまのうえのだいふ=山上憶良

訳:春になると庭に最初に咲く梅の花を、たった一人で見ながら長い春の日を過ごすことなどどうしてできましょうか(皆さんと一緒に見ることができて嬉しいです)

 

⑤「残りたる 雪にまじれる梅の花 早くな散りそ 雪は消ぬとも」

大伴旅人

訳:残っている雪に混じって咲いている梅の花よ、早く散らないでおくれ。雪がきえたとしても(雪の中の梅の花、絵になる光景だ)

 

       写真ACより   ponponchan   さんの作品

 

2⃣ 新古今和歌集

⑥「梅散らす 風も超えてや 吹きつらむ 香をれる雪の 袖にみだるる」

康資王母(やすすけおうのはは)

訳:梅の花を散らしながら風が頭上を吹き貫いていったのだろうか。良い香りのする雪が私の袖に散り乱れているよ。(春の雪と風が、梅の香りと一緒に長い黒髪をたなびかせている光景が目に浮かぶ)

 

⑦「折られけり くれない匂ふ梅の花 今朝しろたえに 雪は降れれど」

宇治前関白太政大臣(うじまえかんぱくだじょうだいじん)

訳:折ることができたよ、紅の色が美しく咲いている梅の花を。今朝は真っ白に雪が降っているいるけど。(鮮やかな紅梅と白い雪のコントラストが素晴らしい)

 

         写真ACより   むらさきさんの作品

 

⑧「大空は 梅のにおひに 霞みつつ 曇りもはてぬ 春の夜の月」

藤原定家

訳:大空には梅の香りでしょうか霞んで見え、春の夜の月も曇り切っているわけでもないおぼろ月ですよ。(大空が霞がかっているのは、梅の香りのせいと思えるほど、梅の濃厚な香りが漂っている)

 

3⃣ 現代短歌

⑨ 「恋に病み けふ死ぬほどに いと熱きを とめにふらせ 紅梅の露」

山川登美子

訳:あなたへの強い想いに病気になって、今日死んでしまうほどの気持ちの私を止めるために、どうか紅梅の露をください。(与謝野鉄幹を愛した与謝野晶子とライバルの登美子、鉄幹が好きだった梅を使い彼のことを「紅梅の露」と詠んだ熱い歌)

 

⑩ 「梅の花 さやかに白く 空蒼く つちはしめりて 園しずかなり」

伊藤左千夫

訳:梅の花が白くくっきりと見えていて空は青く、土はしめっていて梅の園はしずかである。(快晴の空の下、シーンとした園の中の白梅を眺めている様子がうかがえる)

 

          写真ACより  G  photo   さんの作品

 

以上「梅」関連の小唄と11首の和歌をを並べてみました。お気に召した歌はありましたでしょうか?