森山愛子さん(愛ちゃん) 2

6月13日に続いて2回目の投稿をしようと思う。

 

森山愛子さん(以降愛ちゃん)は、2004年5月19日に19才でデビューした。デビュー曲は「おんな節」、その年の日本有線大賞新人賞、日本レコード大賞新人賞を受賞している。

 


森山愛子 おんな節 演歌百撰

 

私がまだファンになる前のことで、当時のことはよく知らなかったが、今聴いてみるとパンチの利いた若さ溢れる良い曲で、新人賞の受賞も肯ける。

 

2005年から2012年まで、テレビ「王様のブランチ」にレポーターとして出演したり「田舎に泊まろう」や他の旅番組のレポーターで出ていたので、彼女を歌手と知らない人も多いと思う。

 

愛ちゃん自身のオリジナル曲は、ほぼ1年毎に新曲を発表している。この頃愛ちゃんは、テレビの歌番組では有名曲のカバーしか歌っていなかったので、私はオリジナル曲については、全く知らなかった。

 

ファンになってから、彼女のオリジナル曲(シングル28曲)をじっくり聴いてみると、愛ちゃんの歌唱力が活かされた良い曲ばかりだ。もっともっと世の中に認知されて欲しい。

 

2017年9月27日発売の「会津追分」は、それまでの曲調とはガラリと変わり、「大人の女性を主人公としたご当地ソングの本格演歌」と銘打って発売された。

 


森山愛子「会津追分」(9月27日発売)

 

この曲は題名からも、まずご当地の福島県で支持され、全国のカラオケファンに浸透していき、じわじわと売れ行きを伸ばしロングヒットとなった。久しくヒットらしいヒットが無かった演歌界にとっては、愛ちゃんは待望の演歌の星となった。

 

これにより、2018年のNHK紅白の初出場最有力歌手と目されたが、叶わなかった。

 

 

レコード会社は「会津追分」のヒットを次に繋げるために、同じ作詞作曲者(麻こよみ/水森英夫)を起用し、ご当地ソングの連作を企画する。

 

そして第2弾として生まれたのが、令和改元直後の2019年5月8日発売の「尾曳の渡し」だ。この曲は群馬県館林の尾曳の渡しを舞台とした駆け落ちをする男女を歌ったものだ。曲の後半でファルセット(裏声)となるところがミソなのだが、さすが愛ちゃん実に上手く歌い込んでいて、彼女の歌唱力が光る傑作だ。

 


森山愛子「尾曳の渡し」

 

愛ちゃんは、この曲が発売されるや、日本全国キャンペーンで駆け巡った。愛ちゃんのスケジュールの過密ぶりは、彼女のブログにも記載されており、1日2ステージはざらで超多忙なミニライブを連日こなしていた。

 

そんな愛ちゃんの頑張りもあって、この曲も「会津追分」同様のヒットとなった。そして、11月中旬、全国の森山愛子ファン注目の紅白出場歌手発表の日・・・・残念ながら2019年もダメだった。

 

しかし、その年の年末に発表された「Joysound カラオケ年間ランキング(総合)」で「尾曳の渡し」が10位にランクインした。1位から9位までは、私の知らない「Official 髭男dism」とか「米津玄師」とかの若者向けの曲ばかりで、演歌歌謡曲部門では唯一の曲なのだ。

 

すなわち、演歌歌謡曲部門では、「尾曳の渡し」が令和年間1位という快挙を成し遂げたのだ。

 

 

 

今年になって、3月初旬までは愛ちゃんはいつもの活動を続けていたが、コロナが拡大してからは、ご多分に漏れず愛ちゃんも一切の仕事が無くなってしまった。

 

今年こそはと年頭に誓い、4月のご当地ソング第3弾発表に向けて、着々と準備を進めていたところだったので、愛ちゃんも大いに戸惑ったことと思われる。

 

彼女のブログによると、ステイホーム期間中は、新しい料理に挑戦したり、室内体操をしたりと前向きな生活をしていたようだ。芸能人でありながら、長期間美容室、ネイルサロンへも行かず我慢し、じっと自宅に閉じこもっていたという。常識人である。

 

コンサートが開けないので、他の芸能人同様愛ちゃんも、インスタグラムやYouTube でのネット配信で、全国のファンとの繋がりを保つ努力をしていた。

 

8月に入って、歌手活動が少しずつ再開され、テレビの無観客コンサートの収録にも参加し始めた。コロナで4ヶ月遅れたご当地ソング第3弾「伊吹おろし」も、満を持して8月12日に発売となった。

 

実は、私が「伊吹おろし」を始めて耳にしたには、4月の初めで、YouTube の歌謡教室の男の先生が歌っているものだった。期待が大きかっただけに、前2作に比べ非常に印象が悪かった。

 

会津追分」のようなドラマチックな盛り上げに欠け、「尾曳の渡し」のような難易度の高い節回しもなく、素人カラオケファン向けに作られたものかと思ったほどだ。

 

その後、愛ちゃん本人が歌唱する動画を聴いてみると、さすがに上手く歌ってはいたが、曲自体が劣るような気がして、「この曲ヒットするかな?」と心配になった。

 


森山愛子「伊吹おろし」

 

そんな心配をよそに、発売翌週には、オリコン演歌歌謡曲部門で週間1位を取り、幸先の良いスタートを切り、YouTube では、既にカラオケも含め10本以上の動画がアップされている。演歌ファンには結構人気があるようだ。

 

私もその後、何回も聞いているうちに、耳に強く残るようになり、「これで良いのかな」と思うようになった。