前回に続き、北海道東日本パス(JR北海道とJR東日本の全路線の普通列車のみ乗車可、使用期限は連続7日間)を使用した仮想の旅日記 2回目です。列車の時刻は、JTB時刻表8月号を使用しました。
<三日目>
・行程:釜石~函館
・利用路線:岩手県交通//岩手県北バス//三陸鉄道北リアス線//八戸線//青い森鉄道//
・コースタイム
釜石 5:56
↓
道の駅山田 6:44 → 6:51
↓
宮古 7:56 → 8:00
↓
久慈 9:31 → 9:55
↓
八戸 12:10 ← 11:45
↓
野辺地 12:54 → 13:00
↓
青森 15:05 ← 13:46
↓
新青森 15:31 ← 15:09
↓
新函館北斗 16:34 → 16:45
↓
函館 17:05
釜石から宮古までの海沿いを走る山田線(釜石~宮古間)は、東日本大震災の津波による被害で、未だ復旧されておらず、バスによる代行輸送だ。※、
※この間の山田線は、2年前、JRからリアス鉄道となり、現在は運行中
5:56発の、岩手県交通の始発バスに乗り、道の駅山田で岩手県北バスに乗り換える。宮古7:56着。
宮古では、接続良く4分の待ち合わせで、8:00発の三陸鉄道北リアス線に乗ることができた。
三陸鉄道北リアス線沿線は、NHK朝ドラ「あまちゃん」の舞台でもあり、ロケ地でもあるので、全国的にも知名度があって、観光客も比較的多いようだ。会社もイベント列車を走らせたりして、色々努力はしているようだが、経営は厳しいとのこと。
三陸鉄道 写真ACより Slowrider さんの作品
北リアス線の「田老」は、昔から何回も津波の被害をうけた経験から、集落の海側には高さ10mの「万里の長城」と呼ばれる長大な防潮堤が築かれた。東日本大震災のの津波は、この防潮堤を乗り越えて集落を襲い、壊滅的な被害を及ぼしたという。新たな防潮堤を建設中と聞き、途中下車して見学したかったが、そうすると今日中に函館到着できなくなるので、車窓から見るに留めた。
終点の「三鉄久慈駅」に9:31着。この駅には、「三鉄リアス亭」という食堂があり、そこで一日20食限定「幻のうに弁当」なるものが販売されているという。食指が動いたが、今日のお昼食は青森と決めていたので、見るだけに留める。
久慈からは、9:55のJR八戸線に乗る。途中「種市」という町を通るが、ここは、卓球を始めた頃のお友達の故郷で、その人が、「子供の頃、新鮮なウニやホヤをふんだんに食べていた」というのを聞いて羨ましく思ったものだ。11:45八戸着。
八戸 12:10、青い森鉄道に乗り換える。青い森鉄道は、東北新幹線が青森まで伸びた時に、第三セクターとして開業した旧東北本線だ。JRではないが、八戸ー青森間は特例として「北海道東日本きっぷ」を利用できる。青森13:46着。
青森駅 写真ACより Photo Network さんの作品
青森でこの日一番の乗り換え時間(1時間20分)がとれたので、駅前の食堂で遅い昼食とする。しばらく肉をたべていなかったので、ステーキとサラダにビールをつけた。
青森から北海道へは、在来線で渡ることはできない。それは、北海道新幹線ができてからは、旅客の在来線が廃止され、鉄道では新幹線が唯一の通行手段となったからだ。幸い「北海道東日本きっぷ」は本来乗車できない新幹線も、新青森ー新函館北斗間は特例で乗車できる。
青森15:05発の奥羽本線にひと駅乗って、新青森で15:31の「はやぶさ21号」に乗り換える。私は、青函トンネルを列車で通過するのは、今回が始めてだ。全長53㎞のトンネルを、時速140㎞※、23分で通過する。
※昨年3月のダイヤ改正で、時速160㎞に引き上げられた。
新幹線で時速140㎞は遅いと思われるが、これは、青函トンネルが新幹線と在来の貨物線と共用しているので、新幹線の速度が制限されているためだ。青函トンネルを抜けると、いよいよ北海道だ。新函館北斗には、16:34着。
新函館北斗から在来線の函館本線に乗り換えて、本日の目的地函館に17:05着。
函館の宿も、利便性の良い駅前の「ルートイングランティア」とする。
<四日目>
・行程:函館~札幌
・利用路線:函館本線
・コースタイム
函館 8:18
↓
大沼 9:00
↓
森 9:34
↓
長万部 11:19 → 13:18
↓
俱知安 14:57 → 15:18
↓
小樽 16:26 → 16:30
↓
札幌 17:02
四日目はこの旅一番の遅い出発だ。時間に余裕があったので、駅前の函館朝市市場に立ち寄り見学する。カニを始めとする新鮮な魚介類が並んでいて活気がある。8:18発の長万部(おしゃまんべ)行に乗り込む。
今日乗る路線は、函館本線のみで、乗り換えも3回しかない。この日以外は毎日あわただしく乗り継いでいるので、今日はゆとりある旅としよう。
函館本線の大沼ー森 間は、大沼の東側を通って内浦湾沿いに森へ行くルートと、大沼の西側から森へ行く二つのルートがある。どちらも函館本線で、海沿いの方が距離は長いが、運賃は同じとのことだ。乗車した列車は西側ルートだった。大沼は「大沼国定公園」となっており、大沼越しに臨む駒ケ岳の風景は、函館本線のビューポイントとして知られている。
長万部11:19着。函館本線の長万部(おしゃまんべ)ー俱知安(くっちゃん)間は、列車の本数が一日4本と極端に少なくなり、「本線」とは名ばかりで、全くのローカル線だ。函館ー札幌間の特急は数多くあるが、俱知安経由の特急は、季節列車ニセコ号1本のみで、あとは全て室蘭本線、千歳線経由なのだ。
ならばと、室蘭本線、千歳線経由の普通列車のダイヤを調べてみると、特急列車ばかりで、普通列車はほとんどない。普通列車で札幌へ行こうというような暇な人は、いないのだろう。
長万部から俱知安方面の接続列車は、13:18発で待ち時間は2時間とたっぷりある。スマホで、☆4.7と高評価の定食屋を見つけた。天丼セット(天丼、ミニうどん、サラダ)がボリュームもあり美味しかった。
まだ少し時間があったので、海岸に出てみる。長万部は、渡島半島の付け根、太平洋岸のまあるい内浦湾(別名 噴火湾)の一番奥に位置し、下の写真の前方に見えるのは、伊達、室蘭方面の山並みだ。
長万部の海岸 写真ACより 仲村昌寛さんの作品
長万部を13:18に出てからは、俱知安、小樽で乗り換えたが、いずれも20分、4分と接続よく札幌には17:02に到着。小樽の街を歩いてみたかったが、時間が無かった。
札幌も翌日の早朝出発に備え、駅前の「リッチモンドホテル札幌駅前」に宿をとる。
ー続くー