私の脳梗塞 (発症から退院まで 5)

1月7日(木)

今日は朝から比較的調子が良かったので、終日車いすに乗って、SCU(脳卒中集中治療室)の様子を観察していた。もちろん途中リハビリのレッスンを受けながらではあるが。

 

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             写真ACより ei-mi さんの作品

 

SCUの看護師さんは、女性の主任看護師さんを頭に、男性6名、女性8名の計15名で構成されている。SCUの看護師さんは皆さん実によく働く。そして皆さん一人一人が個性豊かでかっこいい。男性看護師さんは、医療ドラマや、映画に出てくるようなかっこよさだ。

 

初歩的な質問をしても、優しく丁寧に答えてくれる。SCUの前はオペ室やICU勤務で修羅場をくぐってきたベテラン、若手の看護師さんも今は、SCUの貴重な戦力として活躍されている。

 

今日昼勤務の女性若手看護師さんは、早朝の7:20には出勤し、8時過ぎの夜勤看護師さんとの引継ぎまで、パソコンに向かって作業をしている。

 

8時過ぎて引継ぎが終わると、いよいよ昼の看護師さんの出番だ。看護師さんによる、いつもの朝の点検が始まる。

 

ここはどこですか?の質問に対し、〇〇大学病院と答えればよいものを、〇〇大学病院8階8Wストローク・ケア・ユニットと答えたり、100から7を引くといくつですか?の質問には、93、86、79、72、65と答えたりして、大人げない対応で看護師さんをまごつかせて、ニヤニヤする。いけ好かない、嫌な患者と思われたかも・・・

 

平日朝の看護師さんは特に忙しい。患者さんの検査が集中するのだ。一人一人をストレッチャーに移動する。数人がかりで「1・2・3」と掛け声をして移す。中には重い体重の患者さんもいる。看護師さんは肉体労働の部分もある。

 

リハビリ室でT先生から手指のリハビリレッスンを受けていた時、教授回診があるから、ベッドに戻るよう言われる。ベッドで仰向けに寝てしばらくすると、十数名の学生さんを従えた先生が現れ、診ていただく。足を膝から足首へ滑らせるよう言われ、やってみたが、うまくいかず途中脛で滑らせる足がベッドへ落ちてしまった。先生は、これが失調の症状で簡易判定方法だというようなことを、学生さんに言って、学生さんもフムフムと肯き、去っていった。

 

リハビリのT先生に「まるで、映画の白い巨塔ですね」と言うと、「今回は従うのは

学生さんだったが、前は病棟の先生を十数名従えてもっと凄かったですよ」とのこと。

 

私の主治医は、入院時処置して頂いたS先生、そして入院中実質的に対応して頂く先生は病棟医のO先生、このO先生も、看護師さん同様実によく働く背の高い医療ドラマから抜け出したような、白衣を翻して歩く姿がカッコいい若いドクターであった。

 

この先生の苗字が、江戸時代後期の有名な医者であり蘭学者と同じであったことから「先生のご先祖様は、あの有名な蘭学者さんですか?」と訊いてみたら、「いや、違います」との返事だった。

 

昔、私が勤めていた会社の人事部に、大久保さんと言う人がいて、この人は、かの有名な明治維新の立役者大久保利通の子孫だと知ってびっくりしたことがある。

 

この病院は、医学系では伝統のある私立の大学の附属病院なので、そういう有名人の末裔がいてもおかしくないと考えて質問した。

 

午後、看護師さんにシャワーに入れるといわれた。入院以来、顔もろくに洗っていなかったので、この知らせは凄く嬉しかった。シャワー室は車いす位の大きな椅子が設置されており、座った状態でシャワーを浴びることができ快適だった。

 

朝7:20に出勤した若い女性の看護師さんは、夜になっても患者さんの食事の介助をしたり、色々とSCU内の看護仕事をやり続けている。結局彼女が帰りの支度に入ったのは20時を過ぎていた。この間ずっとほとんど立ちずめ、働きずめであった。

看護師さんって重労働なんだなとつくずく思う。そういう仕事に誇りをもって、健気に働いている看護師さんに感謝、 お疲れさまでした!!

 

                  ー続くー