1月17日(日)
今日は日曜日で、SCUの日勤看護師は、二人の若手女性看護師さんだ。一人は笑顔が素敵なカワイ子ちゃん看護師と、もう一人はSCUでは一番若くて初々しく、これまたカワイ子ちゃんの看護師さんだ。ホントこの病院の若い看護師さんはカワイ子ちゃん揃いだ。
そして、可愛いばかりでなくて、みんな仕事がよくできる。気立てが良くって親切で患者さんの頼りになる存在だ。
リハビリはお休みで、午前中は、パソコンのタイピング、構音リハビリとして「五重塔」等のテキスト朗読で自主練しながら、時間をつぶす。
午後になって、孫の三姉妹の一番上のお姉ちゃんから、これから、病院へ来てくれるとのメールが入る。娘が三姉妹を連れてやってくるというのだ。来てくれるのは嬉しいが、コロナで面会できず残念でつまらない。
娘はケースに入った三姉妹の写真を持って来てくれた。二番目が去年七五三で、写真スタジオで撮った写真だ。ケースは開きになっていて、左が二番目一人で撮ったもの、そして右が三姉妹並んだ写真、いずれも三人とも赤やピンクの着物で着飾り、髪の簪(かんざし)も可愛く、三人とも良い笑顔で、今迄で最高の出来の写真であった。
我が家には人様に自慢できるものが何も無いが、唯一自慢できるとすると、この
三姉妹の孫の写真か。
早速自慢したくなった。丁度二人のカワイ子ちゃん看護師も手が空いているようだったので、「ね~ね~見て~この写真」と言うと二人がやってきて、「わっ!可愛い、なにこれ~可愛いね~」と褒めてくれる。嬉しい。
「この子の目元、〇〇さんに似てますね~」(この子とは次女のこと、〇〇さんとは私のこと)そうかな~と考える。
看護師さんが去った後も、じっと写真を眺めながら、三人とも大きくなったな~と感慨に耽る(ふける)
夕食後、男性看護師さんから、退院後の注意事項を「脳卒中を予防するための十か条」という小冊子をもとに、レクチャーされる。
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称)は、再発しやすい病気と冊子には書いてある。知らなかった。
その予防は、私に関係のありそうな項目としては、
1 .高血圧を治す
2. 食事の塩分・脂肪は控えめに
3. 体力に合った運動を続ける
特に2番は、入院前まで塩分は気にせず食事をしていたので、退院後は気を付けようと思う。
1月18日(月)
新しい週が始まった。この病院にお世話になるのも、今日を入れて後2日。
今日の日勤は、主任女性看護師、元ICU勤務の若手男性看護師さん、それと
昨日に引き続きカワイ子ちゃん看護師、若手女性看護師さんの4名体制。
リハビリの三先生には既に連絡が行っていると思うが、「先生方の適切なご指導のお陰で、明日退院できることになりました。どうもありがとうございました。」と明日の退院を報告する。
今日のリハビリは三レッスンとも、今迄の復習で、淡々とこなす。
カワイ子ちゃん看護師さんが、きょうは5時頃に帰ると言う。彼女とは今日が最後なので、帰る前に私のベッドに立ち寄ってもらった。
彼女は、入院した1月3日の夜、体調も悪く不安な気持ちでいた時に、夜勤のあいさつで明るく元気な声で話しかけられ、可愛い笑顔を見て、どんなにか癒され、不安が払拭(ふっしょく)されたかを語り、礼を言った。その後も彼女の勤務時はその可愛さと笑顔から、いつも元気をもらったこと、これからも私のように患者の皆さんに、元気を送って欲しいと別れを告げた。彼女は手を差し伸べて握手をしてくれて去っていった。
1月19日(火)
いよいよ退院の日となった。
今日は家族(息子)が14:00頃迎えに来る。
リハビリは退院日の午前中、みっちり行うこととなった。
まずは、N先生の下肢リハビリ、いつものメニューを一通りやって、総仕上げに階段の上り下り、8階から11階までを2往復して終了とする。
先生からは、自宅でできる下肢リハビリのプリントを頂いた。N先生のお陰で、入院当初、足がフラフラしてとても歩ける状態ではなかったのが、8階の階段を手すりを使わず上下できるまで回復した。N先生に感謝感謝である。
続いて構音リハビリの最後のレッスン、自宅での舌の運動方法を教えてもらう。
私は、「男はつらいよ」の大ファンで、48作の映画をビデオ等で4,5回見ている。
映画の中で寅さんの語る啖呵売のセリフも好きで暗記している。
・結構毛だらけ、猫灰だらけ
・ヤケのヤンパチ日焼けのなすび、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たないよ
・(少し下品だが)四つ、四谷赤坂麹町、ちょろちょろ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立しょんべん
・白く咲いたか百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが、水臭い
・七つ、長野の善光寺、八つ谷中の奥寺で、手鍋下げても、わたしゃいとやせぬ
・あなた百までわしゃ九十九までともにしらみのたかるまで
自宅での自主練には、こういった啖呵売もいいのでは?と美人先生に訊いてみた。
先生は啖呵売はご存じではなく、笑って何も言わなかった。
先生のレッスン毎回楽しみにしていましたと鄭重にお礼を言って、先生の構音リハビリ
が終わった。
SCUに戻ると、T先生が待ち構えていて、リハビリ効果の確認テストをすると言う。
入院4,5日目で行ったテストが、まだ失調が残っており、とても字の書けるような状態ではない時期で、成績も悪かった。今回は年齢相応の結果と言うことで、T先生も満足されたことだろう。T先生のお陰で、全く書けなかった字も書けるようになった。
N先生同様、T先生にも感謝感謝である。
こうして、最後の最後までリハビリを行って、14時に迎えに来た息子と病院を後にした。
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映画のエンディングロールのように、今回の「私の脳梗塞」でお世話になった方々を、改めて以下に示し、謝意を表したいと思います。皆さん本当にありがとうございました。
・私を自宅から病院へ搬送してくれた 救急隊員3名
・病院で私を重篤な状態にはならぬように処置をしていただいた S主治医
・私の担当医 O医師
・SCUの看護師さん 主任看護師さん1名、 男性看護師さん6名、女性看護師さん8名
助士さん 2名
・リハビリ先生 下肢担当 N先生、上肢担当 T先生、 構音担当 美人先生
・リハビリ病院選定時、情報を提供してくれた ソーシャルワーカーさん
・退院後の食生活について相談に乗っていただいた 栄養士さん
・家族 息子、娘
「私の脳梗塞(発症から退院まで)」 ー終ー
次回からは「退院後の自宅リハビリ生活」その他を投稿しようと思います。