<音楽の力>
「音楽」とは「音を楽しむ」か「音が楽しい」から名付けられたものか、よく分からないが、凄い力を持っているのだと今回気付かされた。
2月6日の投稿(自宅リハビリ生活 2)でも書いたが、一ヶ月近く音楽から遠ざかって始めて聴いたパッヘンベルの「セレナーデ」には心を揺り動かされ、胸が熱くなった。メロディーがじんわりと心に沁み、心底癒された気分になった。
それまで気にせず毎日聴いていたものが、一ヶ月近く音楽が無い生活をしても、それなりに生活できたし、不便も感じなかった。しかし音楽の無い生活とは、ゆとりとか心の余裕に欠けるのだろう。音楽を聴くとは心の余裕があるから、できることなのだと改めて分かった気がした。
そういえば、東日本大震災で罹災なさった方々が、震災直後はとても音楽を聴く余裕などなく、日々を過ごしていたが、慰問に来た歌手や楽団の音楽を聴いて、物凄く感動して心癒されたと言っていたのを、TVで見たことがある。
「セレナーデ」を聴いて感動したのは、無意識のうちに、心にゆとりのある生活に戻れた喜びを感じたからかもしれない。
その後、リハビリ生活で「セレナーデ」以外にもよく聴いている曲を紹介する。
① 葉加瀬太郎さんの「ひまわり」
この曲は、2010~2011年にNHKで放送された朝ドラ「てっぱん」のオープニングテーマ曲である。私も当時このドラマを見ていたが、良い曲だなと思ったが葉加瀬さんの作曲とは気が付かなかった。
この動画は、昨年秋ネットサーフィンしていて見つけたものだ。次に紹介する「情熱大陸」とともに、NHKホールで開催された葉加瀬さのコンサートの一部だ。
まずメロディが良い。曲の途中で入る「パーン」という音も非常に効果的だ。
後半になって、舞台が暗くなり、低い伴奏が続く。この時間がかなり長い。
そして、場内の照明が、パッと明るくなる、舞台にはバイオリンを肩にした70名ほどの子供たちが、中央の葉加瀬さんと主旋律を合奏し始める。子供たちは、男の子は白のシャツに黒の半ズボン、女の子は白いブラウスに黒のスカートといった至ってシンプルな衣装、70名の子供たちが同じ衣装で舞台を埋め尽くして真剣に演奏する。
この演出は、さすがというか素晴らしい。何回見ても、この子供たちが一斉にバイオリンを引き出す場面で、ぐっときてウルっとしてしまう。
特に、客席から見て右半分の最前列の一番左の女の子(葉加瀬さんの左前)は、最年少なのか周りの子供たちよりひと際小さいが、一生懸命弦を弾く健気な姿に感動する。
この動画も①と同じコンサートのフィナーレを飾った曲だ。この動画の再生回数は、2600万回以上(ひまわりは1000万回以上)で、私が今までに見た動画の中では、最高だ。
フィナーレとあって、葉加瀬さんも始まるや否や、乗り乗りの状態で、観客を盛り上げる。曲調もディスコバージョンで、会場が一体になっての演奏だ。
走りながらバイオリンをひくというパーフォーマンスをみせる葉加瀬さんの演奏もさることながら、この動画では脇を固めるバンド奏者のソロ演奏が素晴らしい。
葉加瀬さんの主旋律バイオリンに続いて、まず太めのお兄さんのスチールギターのソロ演奏、パーカッションのお姉さん、ギター、シンセサイザーの演奏で一旦落ち着いた海の底へ落ちるような静寂の後、いかにもバンドマンといったお兄さんのソプラノサックスのソロ演奏、これが又超カッコいい。このお兄さん「ひまわり」ではフルートを吹いていた。管楽器はなんでもござれなのだろう。
そしてピアノソロでは、葉加瀬さんが、奏者を扇子で煽って盛り上げる。最後のソロはチェロ、座って引いていたかと思うと、立ち上がり、台の上に乗ってチェロをお腹の上に乗せ、のけぞって演奏するというパーフォーマンスまで披露するサービス精神だ。
この動画を見る度に、元気が貰える。