仏果山

4月以降、車の運転ができるようになったが、車の使用は日常の買い物と、テニス、卓球会場への往復に限られていた。コロナ禍のこの時期、遠出は憚(はばか)れるが、一人で車に乗って、近場をドライブするくらいであれば、コロナ自粛のストレスも解消され、許されるだろうと判断した。

 

山梨県秩父山系の「雁が腹摺山(がんがはらすりやま)」なら、頂上近くの大峠まで車で行けて、そこから1時間も歩けば山頂に着ける。富士山の眺望が良いことで知られた山だ。久しぶりのドライブは、ハイキングも兼ねてこの地を選んだ。

 

5月26日(水)天気予報は終日晴。少し早起きして、6:30に自宅を出発する。40分位走ったところで、ハイキングシューズを車に積み忘れたことに気が付き自宅へ引き返す。

 

これから再出発すると、朝の渋滞に遭って嫌だなと思い、急遽行き先を変更する。

 

選んだのは、東丹沢前衛の山「仏果山」、神奈川県愛川町清川村の町村境にある標高747mの低山だ。ここも「半原越(はんばらごえ)」と言う峠までは、林道を通って車で行ける。

 

「半原越」は昭和の初期まで、清川村の煤ガ谷というところが、養蚕が盛んで、当時糸の町として栄えていた半原へ、繭を背負ってこの峠を越えたことからこの名が付いたと看板に書いてあった。

 

峠に車を駐車し、10:30 登山開始、峠から東へ向かえば「経ヶ岳」、反対の西側の登山道に取り付く。標識には「仏果山」まで2.5㎞とある。1時間もあれば到着できるだろうと予想する。

 

登り始めて直ぐに丸太で組んだ階段が現れ、この階段の勾配が次第にきつくなり、段差の高さが、膝近くまでになる急勾配が連続するようになった。(写真の段差は小さいが、この先大きくなる)短い足には登りにくく、体力を著しく消耗し、登攀速度が極端に遅くなる。

 

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軽いハイキングコースと思っていたのが間違いで、登り始めて直ぐにバテぎみとなる。階段でないところは登山道に木の根が縦横に張り巡らされ、根に足が挟まったり、取られたりして転倒しないように細心の注意を払いながら、ハーハー言いながら登る。

 

1時間程登ると、登山道は山の尾根に出たと思われるが、周りは樹木が生えているので見晴らしはない。時々緑の中に赤いヤマツツジがが現れ、単調な山道のアクセントになっている。

 

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更に行くと、道は険しくなり、梯子や鎖場もあり、低山とは思われない趣だ。山の背で 道の両側が切れ落ちた個所が、10mほど続く場所もあり、少々スリルを味わう。

 

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登山道に又看板が現れ、それによると、この辺りから、東方の経ヶ岳を経て大山に至る一帯は、昔山岳修験者の修法の霊場であったらしい。日本には古来山岳信仰による霊場が、吉野-熊野の大峯奥駆道を始めとして、各地に数多く存在するが、「この辺りも昔は修験者が修行していたのか~」と新しい発見をする。

 

 

最後に急な登りを一登りして、12:30「仏果山」の山頂(標高747m)に到着。登り始めた時の予想の、二倍の時間を要した。お地蔵さんが2体と犬のような置物1体が仏果山の山頂標識の前に置かれている。

 

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ここは、山頂と言っても周りが樹木に覆われて、視界がきかないからなのだろう、鉄製の階段からなる櫓(やぐら)状の展望台が山頂の横に設置されていた。

 

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 そこに登ると、やっと周りの風景が一望できた。

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西方を望むと、東丹沢の山並みと、下には宮ケ瀬ダムで堰き止められた宮ケ瀬湖が見渡せる。

 

 

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 東方は、愛川、相模原方面の平地である。

 

展望台最上部の鉄板に座って景色を見ながら、コンビニで買った鮭ハラスおにぎりとサンドイッチで昼食とする。天気が良く初夏の日の光は強いが、そよ風が吹いて気持ち良い。紫外線は強いだろうなと思う。

 

山頂で30分程過ごして、13:00 来た道を下山する。平坦な道を歩くのは何でもないが、急な下りの山道は、後遺症のバランス感覚不良で、足元がおぼつかず、非常に心もとない。絶対に転ばないようにと、登りより下りの方が神経を使う。やっとの思いで、車を駐車してある半原越に、14:30 到着した。途中山道で会った登山者(ハイカー)は、4人であった。

 

歩行時間 3.5時間  歩行距離 5.0㎞  歩数 12,000歩

 

今回のルートは、低山でもあるし、ハイキングコースと思ってトライしたが、実際は結構キツイ登山道であった。特に下山時の急な下りで、身体にブレーキをかけるのに使う足の筋肉が、普段使わない筋肉で酷使したため、翌日はひどい筋肉痛に悩まされた。

 

※写真の色彩がおかしいのですが、補正がうまくいかず、そのまま貼付しました。スミマセン!