へんろ日記 5

これまで四国遍路については、このブログで何度も取り上げさせてもらっていますが、大変お恥ずかしい間違いに気づかず掲載を続けてきました。 読者の皆様方の多くは既にお気づきかと思いますが、それは、「弘法大師」を「弘法太子」と間違ってタイプアップしてきたことです。

 

「太子」は聖徳太子を示すことが多いようで、世田谷の太子堂聖徳太子由来の地名ですね。落ち着いて考えれば、「太子」は皇太子のことだし、発音も「たいし」で「大師」のように「だいし」と濁らないので、すぐに気づくはずなのに、思い込んでいて迂闊でした。

 

四国遍路の基本の基ともいえる「お大師様」の字を間違えて、それに気づかずブログを書いていたとは、何とも情けないことです。大変失礼しました。お詫びし訂正いたします。

 

今回は、前回(11月30日アップの「へんろ日記 4」)の続きです。

 

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11月3日(金)(晴)(2017年/平成29年)

<12日目 室戸市佐喜浜→26番金剛頂寺室戸市)>

 

7:10  民宿Tの美味しい 朝食をお腹いっぱい食べて出発。

 

7:30 夫婦岩

 

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        太平洋の黒潮に洗われて岩も黒い

 

 20分歩いただけで暑くなり、長袖長ズボンを脱ぎいつもの半袖Tシャツと短パン姿となる。

 

8:05 椎名漁港 朝の歩き始めはいつも快調だ。自然と鼻歌混じりの歩行となる。この近くの椎名小学校が廃校となり、そこが改修されて廃校水族館となり、ウミガメ等が観察できる。テレビでもよく紹介され、室戸市の名所となっている。

 

9:00 海洋深層水研究所 1989年4月、海洋深層水の日本最初の取水施設として、海洋科学技術センター高知県とで共同設立され、冨栄養性、清浄性、低水温性等の優れた特性を有した「海洋深層水」の利用を目的に研究されている。

 

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        研究所前にある「マーメイド像」

 

 

10:20 御蔵洞(みくろどう) 弘法大師が、室戸岬の先端のこの洞窟にこもって修行した。この洞窟は東南向きで、来る日も来る日も空と海しか見えない洞窟で、明星の飛来を待った。それが「空海」という名の由来と言われている。

 

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 2006年9月~11月 NHK趣味悠々四国八十八ヶ所はじめてのお遍路」の掲載写真

 

  

三年前は内部が見学できたが、今回は柵が設けられ、立ち入り禁止になっていた。

 

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10:55 24番最御崎寺(ほつみさきじ) 御蔵洞横の急な山道(標高差165m)を一気に登ると、最御崎寺だ。23番の薬王寺から三日かけて到着した。

 

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11:40 室戸岬灯台 

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理由・由来は分からないが、「恋人の聖地」のハート型の看板が立っていた。

 

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             室戸岬灯台から望む太平洋

 

 

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         最御崎寺を下る時に見える室戸の西海岸

 

 

12:50 室戸岬中学校 この辺りの漁港は、長い歴史が感じられ風情がある。

 

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13:15 25番津照寺(しんしょうじ)お寺の本堂は長い階段の上にある。ザックは下のベンチに置いて参拝する。

津照寺のあるところは、室戸市室津と言う地名で、室戸市の中では一番家並みが多い所で市役所もある。

 

 

14:45 26番金剛頂寺着 金剛頂寺も山の上にある。 

 

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             金剛頂寺境内にある神仏像群

 

 

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              がん封じ椿御霊木

 

 

本日はこの宿坊に泊まる。初回のへんろの時は、ここには泊まらなかったが、このお寺の料理は、へんろ宿坊の中では一番と評判だったので、今回は、旅の前から、このお寺には宿泊するつもりでいた。

 

18:00 夕食 時間になって食堂に行ってみると、既に5~60人の客が着席していた。個人客はほとんどおらず、かといって団体のへんろもいない。皆車による個人のグループや家族旅行のようだ。そういえば今日は金曜日の祝日で3連休の初日である。私の隣は博多から車で来たご夫婦だった。へんろ以外の一般客がこんなにも多い宿坊は初めてだった。

 

噂に違わず料理は豪華なものだった。鯛、鰹、鮪 等大振りで肉厚の刺身、カマスの塩焼き、エビなどのてんぷら、等このお寺の品の良い奥さんが、料理のアルバイトのおばさん二人に色々と指図しているのだが、てんてこ舞いの忙しさだ。

 

21:00 就寝

 

12日目の歩数 46800歩  歩行距離 30.4㎞

 

 

11月4日(土)(晴)

<13日目 26番金剛頂寺奈半利(なはり)町>

 

7:00 金剛頂寺出発、国道へ下るには二つのルートがあり、短いルートは道が悪いので、30分以上時間が余計にかかるが、遠回りのルートをお寺の奥さんに勧められる。今日は時間に余裕があるので、その言葉に従う。

 

7:30 不動岩 一昨日から宿の料理が良くて大食しているので、お腹の調子があまり良くない。

 

9:00 吉良川、羽根の集落を通過する。両集落とも、田舎のパン屋さんがあったり、いかにも地方の長閑(のどか)な集落で、歩いていて心安らぐ。

 

10:50 国道休憩所 休憩所の公衆トイレがシャワー付きでびっくりした。

 

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             休憩所近くの羽根岬海岸

 

12:00 ドライブインなぎさ 休憩所を出てから、海沿いの国道は急に海からの風が強くなり、スゲ笠が飛ばされそうになり、笠を手に持って歩く。

 

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12:25 コーナン スゲ笠の笠と頭部固定リングは、銅線で結束されているのだが、四ヶ所の内ニヶ所が千切れていた。銅線を手に入れたいが、こんな田舎では無理だろうと、半分諦めていたら、なんと国道沿いにホームセンターのコーナンがあり、入手できた。

 

12:50 奈半利中央公園(石の公園) 本日の宿はここからすぐ近くのホテルNだ。ホテルのチェックインは15時からだが、30分位前ならOKと言われたので、この公園でスゲ笠の修理等をしながら時間をつぶす。

 

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14:30 ホテルN チェックイン 地方には珍しい都会風のホテルだった。16時に大浴場に入り、18時にホテル内レストランで食事をした。久しぶりに洋風の接客を受けた。

 

 

13日目の歩数 37900歩  歩行距離 24.6㎞

 

 

11月5日(日)(晴)

<14日目 奈半利町安芸市

 

4:20 今日も早朝出発する。ホテルを出ると街灯が無いので真っ暗なはずが、周りが薄明るい。スゲ笠をかぶっていたので上空の様子が分からなかった。空を見上げると十六夜位の月が周囲を照らしていて、幻想的な光景だ。歩くのに懐中電灯は不要だった。

 

4:40 コンビニへ立ち寄り、おにぎり、カレードーナツ、バナナと暖かいお茶を買う。

 

5:25 国道から一般道のへんろ道に入る。安田川を渡ると、安田の集落だ。満天の星空も良いが、月明かりの中を歩くのも良いものだ。「月がとっても青いから~・・」のメロディが口から出る。

 

6:00 土佐くろしお鉄道のガード下 明るくなり始める。ここから27番神峯寺(こうのみねじ)までは急な登り勾配の一本道だ。お寺の標高が430mで、ここは海に近いので標高分だけ登ることになる。

 

7:25 27番 神峯寺着。門の周りをお寺の奥さんと思(おぼ)しき美しい女性が、落ち葉を掃いていた。清々しい絵になる風景だ。

 

 

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8:00 参拝後、風のない陽だまりで遠くに土佐湾を眺めながら、コンビニで買ったおにぎり等を食べる。気持ち良し!

 

9:05 広域農道を経由して国道へ出る。

 

10:05 大山道の駅 近くに国道55号の新しいトンネルが開通して、ここは旧道となってしまい、交通量はめっきり減った。他人事ながら、道の駅の経営が思いやられる。

 

10:35 防波堤歩道 土佐湾の防波堤の上が遊歩道となっている。昨日の海岸線は風が強くスゲ笠をかぶられなかったくらいだが、今日は穏やかで歩くのには最適だ。歩いているのは私一人、「へんろに来て良かった!」と思う。前回はここで「いとしのエリー」が口から出たが、今回は「みちのく一人旅」と「アカシアの雨がやむとき」だった。

 

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この歩道と平行して、「土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線」が敷設されている。電車がやって来て、見ると車窓からこちらの方に写真を撮っている人がいた。海を背にへんろしている私を、絶好の被写体として撮っていたかもしれない。

 

11:45 伊尾木川、安芸川の橋を渡ると、安芸市の市街となる。

 

12:30 ビジネスホテルB着。チェックインは3時半だが、一部屋だけ掃除が終わったので入室できた。

 

本日安芸市で宿泊することになったのは、一週間前の膝のケガで、勝浦病院で縫った糸の抜糸を、この町のM病院でしてもらうためだ。今日は日曜日で休みなので、明日診てもらう予定。ホテルで洗濯後、病院の様子窺いに出向く。予想したより大きな病院で、受付は朝8時半とのこと。

 

病院の帰りに安芸の町を散策して、安芸駅前の観光案内所へ。近くの見どころを聞くと「三菱財閥の創業者 岩崎弥太郎の生家がある」というが、少し遠かったので止める。

 

 

14日目の歩数 46200歩  歩行距離 30.0㎞

  

 

            ー続く(非定期)ー