リチャード・クレイダーマン

今年最初のブログに、初夢でリチャード・クレイダーマンの「愛のコンチェルト」を見た(聞いた)と書いた。それ以来我が家では、終日リチャード・クレイダーマンのCDをかけて、BGMとして流して聞いている。

 

今回のテーマは「リチャード・クレイダーマン」です。

 

私が始めてリチャード・クレイダーマンの名前を知ったのは、その昔、愛知県知多市にある工場に長期出張していた時 のことである。

 

仕事でお付き合いのあった会社の方から、接待のお誘いを受け、名古屋錦(東京なら銀座に当たるところ)の高級クラブへ行った。その店で、クレオパトラのようなストレートロングヘアをした若くて美しいホステスさんが、「私、リチャード・クレイダーマンのファンなの」と言っていた。その時代からもう若い女性には人気のあるピアニストだった。

 

リチャード・クレイダーマンは1953年フランスパリ生まれの68才、イージーリスニング界超売れっ子の、ピアニストである。名前のフランス語読みでは「リシャール・クレイデルマン」だが、日本では英語読みで呼ばれている。

 

幼少時からピアノの才能に秀で、パリのコンセルヴァトワールを首席で卒業して、ポピュラー音楽に進む。

 

1976年「渚のアデリーヌ」でピアノ界の貴公子としてデビュー、1980年に初来日以来毎年日本でコンサートを開き、全世界では年300日コンサートを開催して、世界中で最も活躍したピアニストとして、ギネスブックに載るほどである。

 

人物像としては、彼は大変なはにかみ屋で、物静かな人物だそうだ。車は、運転手を付けずに自分で運転し、飲食は、サンドウィッチとミネラルウオーター、リンゴがあれば十分で、酒タバコは一切しないという聖職者のような人だ。

 

彼の音楽は、ロマンチックで優雅、爽やかで優しい、変幻自在に変化するアレンジが魅力でもある。

 

優しさに溢れるような曲、悲しさが込み上げるような曲、アップテンポで元気が出るような曲の演奏で、世の女性(男性も)を魅了している。

 

彼の音楽は、日本人に好まれ、喫茶店、ホテル、デパート、病院から商店街まで、いたるところで聞かれるほど世に溢れているので、どなたにとっても、曲名は知らなくとも、聞いたことがあるというものばかりであろう。

 

今回はその中から、

  ①渚のアデリーヌ 

  ②愛しのクリスチーヌ 

  ③秋のささやき 

  ④レディ・ダイ(レディ・ディ) 

  ⑤プリンス・オブ・ライジング・サン 

の5曲を選んでみました。

 

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①渚のアデリー

1976年に発表されたリチャード・クレイダーマンのデビュー曲にして、レコードが38ヶ国で発売され、2200万枚を売り上げた大ヒット作。

 

この曲は、作曲家のポール・ド・センヌヴィルが生まれたばかりの次女に捧げたもの。

 

センヌヴィルは、ディスコ全盛の70年代後半にあって、敢てシンプルで美しいメロディの普遍性を訴える曲作りを模索し、この曲をピアノのために書き下ろした。次にこの曲を弾くピアニストを、プロデューサーのオリヴィエ・トゥッサンとともに、オーディションをして捜し始める。

 

そして選ばれたのが、リチャード・クレイダーマン。以後の活躍を考えると、彼にとっても運命の出会いの曲だ。

 


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⓶愛しのクリスチーヌ

これもその昔の話、私が勤めていた会社の景気が良かった時、社員の福利厚生施設として、会社にプール付きの体育館が建てられた。そして体育館内で18時からエアロビスク教室が定期的に開催され、社員はいつでも自由に受講できた。そのレッスンは、社外から招いたレオタード姿のインストラクターに教えてもらうものだ。

 

当時私は、担当していたプロジェクトが一段落し、ほぼ残業しないで帰られる状態だったので、物珍しさもあって、レッスンを受講した。そのレッスンで毎回最初に使用されていた曲がこの「愛しのクリスチーヌ」だった。

 

当時は曲の名前も、クレイダーマンの演奏と言うことも知らずにレッスンを受けていたが、この曲がエアロビスクの運動に非常にマッチしていて、私のお気に入りの曲となった。

 

この曲の原題は「子供のころの思い出」とクリスチーヌという女性の名前とは無関係である。この曲の発表直前にクレイダーマンがクリスチーヌという女性と結婚したため、その名前が曲名についたそうだ。

 


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※ 私がいつも聞いているのは、ピアノ-オーケストラバージョンで、この動画はピアノソロバージョンである。この動画の演奏は、少し間を入れたり、細かいところで編曲している。聞き慣れたメロディとは若干違うが、これはこれで良いと思う。 

 

 

③秋のささやき

原題は「愛の頭文字」、物哀しい愁いを秘めたような旋律により、秋の情景を映し出している。特にピアノが物悲しく細く長く連打されるところは、枯葉が風に舞い散る様が目に浮かぶ。

 

この曲は、クレイダーマンのセカンドアルバムのタイトル曲だ。このアルバムでクレイダーマンの真価が世に認められた。

 

日本では、TBS系ドラマ「愛の滑走路路 ’81」の主題曲にもなった。

 


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※ colia 10さんが、歌詞を付けた動画です。

 

 

④レディダイ(レディディ)

1981年、英国チャールズ皇太子と結婚したダイアナ妃をイメージして作られた曲とされている。

 

軽快で爽やか明るいメロディなので、日本でも色々なところで使われており、グリコのCMではクレイダーマン自身が出演していた。

 


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⑤プリンス・オブ・ライジング・サン

一方こちらは、我が日本の今上天皇が皇太子時代、その皇太子徳仁親王(当時)に捧げられた曲だ。

 

毎年来日しているクレイダーマンが、皇室関係の番組に自分の曲が多く使われていることに感激、特に皇太子殿下の品格に感銘を受け、殿下に曲を捧げることを思いついたとされる。この曲の日本発売は1993年1月で、丁度、殿下のお妃に雅子さまが内定された時だった。

 

ちなみに、題名の日本語訳は、「日出づる處の皇子」である。「日本」のことを、聖徳太子が遣隋使で用いた「日出づる處」としているのが、心憎い。

 


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