吾妻山/寄(やどろき)ロウバイ園

山好きの友人から、家の中ばかりに居ると滅入ってしまうので、「吾妻山」と「寄(やどろき)のロウバイ園」に行ってきたと写真を添えたメールが届いた。

 

私は2年前の世の中がコロナ禍となって以来、遠出の外出は自粛していたので、それを見て急に私も行ってみたくなった。今オミクロン感染が拡大しているが、一人で車に乗って移動し、現地では極力人と接触しないようにすれば大丈夫だろうとの判断だ。

 

始めに神奈川県二宮町の吾妻山へ行ってから、神奈川県松田町寄(やどりき)へ向かうという日帰りの計画を立てた。吾妻山はこの季節、菜の花越しに富士山が眺められるという景勝地で、3年前に始めて行ったときは晴れてはいたが、富士山は霞んで見られなかった。

 

前日一時間毎の現地の天気予報を調べると、未明から曇りで8時以降は晴れマークがついていたので、現地8時着になるよう出発時刻を決める。

 

1月26日(水)

朝4時半に起きて、天気予報を確認すると、自宅住所の晴れ始める予想は10時と昨夜の予想より2時間遅くなったが、現地は8時のままだったので一安心する。

 

6:30 自宅出発 ラジオの交通情報で、246号厚木での事故渋滞を知り、高速を利用して大磯インターチェンジまで行く。高速道を走るのは、2年振りだ。

 

7:40 二宮駅前 空は完全に雲に覆われ、天気予報を見ると晴始めの時刻は、当地も10時と2時間遅くなっていた。

 

予定では、駅近くの駐車場に車を停めて、町役場横の正規の登山道を登るつもりであったが、このまま登っても富士山は見えっこない。時間は十分あるので、吾妻山の西側に回ってみる。 

 

8:30 農地の中に有る広場に車を停めて、靴をトレッキングシューズに履き替える。熱い麦茶の入ったポット、防寒着等を軽ザックに詰めて、歩き始める。

 

農道を山の麓まで進み、傾斜の急な農地の横の細い道を登っていくと、行き止まりだ。

 

戻る途中、山の中へ分け入っている「けもの道」のようなものを発見。よく見ると人の歩いた形跡らしきものがある。地図には記載されていないが、地元の人が時々利用しているのかもしれない。

 

急斜面で、周りの細い木を掴まないと登れないようなところも何ヶ所かあり、低山ではあるが山の気分を味わえる。

 

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9:05 周りに菜の花が咲いている山頂の東屋(あずまや)に到着。辺りにはアブラナの春の香りが漂っていた。吾妻山は公園として整備されており、山頂一帯は芝生が植えられ、冬から早春にかけては、菜の花、スイセンも見ごろとなる。この時、山頂には芝生を整備している作業員さん以外は、誰もいなかった。

 

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山頂からの眺望は頗(すこぶ)る良い。天気は曇天で海はもやっていたが、眼下に二宮小田原から熱海方面への人家と相模灘が一望できる。

 

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そして何といっても、この山の一番の売りは、菜の花の向こうの富士山の眺めだ。私もそれを期待して来たのであるが、曇空で富士山は全く見えない。富士山の方角の箱根の山をぼーっと眺めていると、地元の二人連れのおじさんが、話しかけてきた。

 

「どこから来たの? 今日は曇って富士山が見えずに残念だね」と言われる。

 

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晴れて空気が澄んでいれば、この菜の花の先に下の写真のような富士山が見える筈なのだが・・・・

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      写真ACより   n***************m さんの作品

 

10:20 この時間まで待ったが、西方の雲はとれない。富士山を諦めて下山する。

 

10:55 次の目的地、寄(やどりき)に向けて出発。

 

11:30 早朝に朝食を摂ったせいか、強い空腹感を覚える。246号に出ると、周りに色々な食事処が現れる。衝動的にラーメン屋に入った。

 

遠出の時はいつも地元料理の美味しそうな店に入るのだが、この時は無性にラーメンが食べたくなった。ラーメンは好きではあるが、もう2~3年も食べてはいない。味噌ラーメン、ギョーザ、チャーハンのランチセット(炭水化物ばかり)を注文する。三つも食べられるかと思ったが、完食した。

 

12:20 国道から寄に向かう県道は徐々に高度を上げ、左側の中津川は、はるか下を流れるようになる。途中「新東名」の工事個所があり、対岸のトンネルから川に橋を架け、この道路の下を又トンネルでつなぐ工事だ。土木工事はスケールが大きい。

 

12:40 ロウバイ園駐車場着。ここから急な登りの道を10分ほど歩くと、蝋梅(ロウバイ)の甘い香りが漂ってきて、ロウバイ園に着く。入園料は500円だが駐車料は無料なのでトータルとしては安い。

 

配布されたリーフレットによると、ここは、平成16年に、地元の方々が荒廃農地を整備し、翌年寄中学卒業生が250株の蝋梅を記念植樹したのが始まりで、今では、3000株、20,000本以上と日本最大級のロウバイ園になったそうだ。

 

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ここの蝋梅は、蝋梅の花が終わった所は黒い種となって、黄色い花の周りにポツポツと黒い点が存在して、見映えは良くない。2年前に群馬県安中市松井田の「ろうばいの郷」を訪れた時は、蝋梅の木は黄色一色で黒い種は見られなかった。蝋梅の種類が違うのだろうか?

 

13:40 一時間程蝋梅を観賞して駐車場に戻る。友人のメールには、いつもロウバイ園に行った時には、近くの「ジダンゴ山」に登ってくると書いてあった。その山を地図で調べても分からなかったので、駐車場の整理をしているおじさんに訊くと、目の前のなだらかな山がそれだった。

 

13:45 寄発

 

15:40 自宅帰着 

 

 

2年前「ろうばいの郷」へ行った時のことは、2020年2月2日アップの本ブログで「蝋梅」の題名で取り上げている。

 

そこでも書いたが、蝋梅の香りには、懐かしい思い出がある。16年前、連れ合いが入院している病院へ毎日歩いて見舞いに行っていた。当時連れ合いの病状は芳しくなく、気持ちも滅入っていたが、道の途中に咲いていた蝋梅の品の良いほのかな甘い香りに、大いに癒されたものだった。

 

今でもその香りを嗅ぐと、当時のことが思い出される。