大相撲秋場所

大相撲に関しては、「大相撲七月場所」の題名で、2020年8月2日にも投稿してますので、重複する記述があると思いますが、ご容赦願います。

 

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私は、スポーツ観戦では大相撲が一番好きだ。時間の許す限りテレビの実況放送を見ている。生の取組は名古屋にいた頃、一度だけ観戦したが、それ以来経験ない。いつか溜席の砂被りで観戦してみたいと思っている。

 

大相撲は、大抵1分以内で勝負がつくので、せっかちな私には合ったスポーツだ。数回の仕切りの後、行司の軍配が返ると両者は臨戦態勢となり、緊張が高まる。場内はシーンと静寂に包まれる。私はこの瞬間が好きだ。立ち合いの一瞬は息を殺して両者を凝視し、固唾(かたず)を飲んで勝負の決着を見守る。

 

勝負がついて、両者が土俵で一礼して黙して立ち去るのも良い。アマの大学相撲で勝者が、ガッツポーズで雄叫びを上げていたが、いかがなものか。大相撲を見習うべきだと思う。

 

上述の2020年七月場所は、怪我と病気で大関から序二段まで陥落した照ノ富士が、復活して番付を幕内幕尻まで上げ、更に優勝をも成し遂げた場所だった。朝之山も新大関になってニ場所目で準優勝した。

 

あれから二年、その間に照ノ富士横綱に昇進したが、鶴竜、白鳳の両横綱は引退した。正代、御嶽海の大関が誕生した。私の贔屓(ひいき)の朝之山は、昨年の5月場所中に協会のガイドラインに違反して、一年間の出場停止処分で三段目まで番付を落としてしまった。

 

今場所、照ノ富士は一人横綱で、大きなサポーターを両膝に装着して頑張っていたが、膝の調子は万全ではなく、見ていて痛々しい程で、負けが込んで途中休場してしまう。

 

大関陣は、正代が負け越し、今場所カド番の御嶽海は負け越したので、来場所は大関陥落と甚(はなは)だ気概がないない成績だ。

 

上位陣の不甲斐なさを補うように、平幕力士が活躍した。優勝争いは12日目で、玉鷲北勝富士、翔猿、高安、錦富士と全て平幕力士で占め、13日目には、玉鷲北勝富士、高安の3力士に絞られた。14日目には、北勝富士が敗れて、優勝は玉鷲と高安で争われることとなった。

 

そして迎えた千秋楽、互角に立った両者であったが、玉鷲が見事な突き押しで高安を押し出し2回目の優勝を果たした。玉鷲は37才10ヶ月、昭和以降では最高齢の優勝ということだ。

 

玉鷲は連続出場も更新中(先場所の休場はコロナの為カウントせず)で、幕内では最高齢であるが、怪我もせずいつも若々しい相撲を取っている。お見事と言うほかない。

おめでとうございます。

 

その他の秋場所のエピソードを3話記述します。

 

1⃣ 伝え反り

4日目の宇良-宝富士の取組で非常に珍しい決まり手が披露された。

 

宇良は、土俵中央で宝富士の脇の下に頭を入れると、潜り抜けながら自分身体を後ろに反らせ、その力で宝富士を後ろに飛ばして倒した。

 

一瞬何が起きたのか分らず、再現ビデオでやっと概要が掴めた。「伝え反り」という珍しい手で、私はこんな技は始めて見た。幕内では20年振りの決まり手だそうだ。

 

 

 

2⃣ 朝之山

先場所一年ぶりに出場停止処分が解けて、三段目から再出発し、7戦全勝(幕下以下の取組は7番)して三段目優勝を果たした。今場所は番付を東幕下15枚目まで上げ、この場所も優勝すれば来場所は、十両に昇進できそうだというのだ。

 

5番までは三段目の相撲と同様、朝之山の取組は、幕下力士とは格の違いを見せつけ順調に白星を重ね、5戦無敗。11日目の6番では、やはり5戦無敗の東幕下28枚目の勇麿と対戦した。

 

朝之山は勇麿を捕まえて、自分の得意な右四つにしたいのだが、組めない。そのまま土俵際まで寄っていくが、勇麿にかわされる。三回目に寄っていって朝之山が勝負を付けようと押した時、勇麿の突き落としにあって、手をついてしまった。

  

これで、復帰後12連勝していたが、初黒星を喫することとなった。

 

13日目に、幕下の全勝同士が対戦し、勝った大成龍が優勝し、朝之山の幕下優勝は無くなった。次の朝之山7番相撲の対戦が、13日目と思って14:00頃からテレビを付けて待っていたが、この日の取組は無く、翌14日目も朝之山の登場はなかった。

 

幕下以下の力士が多いので、幕下7番相撲は、4日間かけて行われるのだ。千秋楽に3日も開けてやっと朝之山が登場した。相手は同じ5勝1敗の栃幸大、前の対戦で勇麿に土俵際、突き落とされているので、慎重に押していきそのまま押し出した。

 

朝之山はこれで、東幕下15枚目、6勝1敗の成績で秋場所を終えた。優勝を逃したので来場所の十両昇進は難しく、もうひと場所幕下を務めることとなりそうだ。

 

一ファンとしては、実力はあるのだから、一番一番丁寧に相撲を取って、十両、幕の内に早く戻ってきて欲しい。

 

 

3⃣ 溜席(たまりせき)の妖精

2020年11月場所のころから、土俵下の溜席で、背筋をピンと伸ばした美しい姿勢で相撲を観戦する若い女性が、相撲中継の取組の合間に見かけられるようになった。ネットで話題となり、「溜席の妖精」と名付けられ、熱心なウォッチャーも出現している。

 

彼女は、両国国技館開催の時は、15日間の内ほとんど毎日観戦に来ており、7月の名古屋場所でも土日を中心に5日観戦している。

 

衣装は主に白系の品の良いワンピースで背筋を伸ばして正座し、膝に両手を置いて観戦する姿は、凛として美しい。時々熱戦に拍手する形も又良い。そしてその姿勢を何時間も崩さないのだ。

 

 

 

 

彼女が座る場所は、東の花道西側溜席の最前列又は2列目(もう少し中央寄りの時もある)、ここはネットやプレイガイドでは売り出されない。茶屋の常連客や親方連中が優先的に使用できる席と言うことだ。

 

私の見る限り、彼女は幕下朝之山の取組時間(14:00~14:30)には、既に着席していた。ということは、結びの一番(18:00前)まで観戦するので、3時間半以上この姿勢で通しているのだ。胡坐(あぐら)座りもろくにできない私にとっては、驚異的な神業である。

 

 

 

足元にはワンピースに合わせたハイブランドなバッグ(主にルイ・ヴィトン)が置いてある。「溜席の妖精」ウォッチャーは、そのバッグの銘柄・値段も調べ上げている。

 

   ルイ・ヴィトン「スピーディ・バントリエール 25」 ¥385,000

 

 

  ルイ・ヴィトン 「スピーディ・バントリエール 30」 ¥359,000

 

 

ネットには、彼女について色々調べた結果が載っている。それによると、

 

彼女は一般人で、二所ノ関一門のある親方がお世話になったタニマチ※のお嬢様ということだ。東京か東京近辺にお住いの相当な富裕層のお嬢様というのが結論だった。

 

※タニマチ 相撲部屋をひいきにしてくれる後援者、スポンサー

 

彼女は一般人でもあることから、余り騒ぎたてることはしないで、時々テレビに映る溜席の彼女を見付けた時は、「ラッキー」と思うくらいが丁度良いのだろう。