二題(最寄り駅/筑前煮)

1⃣ 最寄り駅

私が利用している最寄り駅界隈は、道路が狭くバスが通れずバス路線が無い。従ってこの駅の利用客は、徒歩か自転車、自家用車の送迎でしか利用できない。自転車で来ても私の利用する南口には駐輪場が無く、自転車を停めるには地下道(徒歩と自転車のみ通行可)を通って北口まで行かなくてはならない。

 

それ故、南口利用客のほとんどが徒歩で、それもあってか両隣の比較的大きな駅に比べて、乗降客数が少ない。

 

こういう駅なので、駅にエレベーターやエスカレーターが設置された時期も、周りの駅より相当遅かった。その駅に最近ホームドアが設置された。こんな小さな駅だからホームドアはまだまだ先のことと思っていたので驚いた。

 

最近は、電車に乗っていないが、通勤で駅を利用していた頃、階段横のホームが狭く、朝夕のラッシュ時には人であふれ、「危ないな、早くホームドアが欲しいな」と感じていたので、今回の設置は大変ありがたく喜ばしい。

 

こんな駅だから、駅前と言っても大きなお店は無く、コンビニ、居酒屋、弁当屋さん、美容院、花屋さん等が雑然と集まっている。その中に一年程前に「食パン専門店」が開店した。店の作りもおしゃれで、感じの良い店だった。

 

先週歯医者へ行く時、駅前を通ったらその「食パン専門店」は閉店していた。このところの小麦価格の急騰や諸物価の上昇で経営が難しくなったのだろうか?駅前ではアクセントになるような店だったので残念だ。

 

他にも駅前の店は、よく入れ替わる。私が贔屓(ひいき)にしていた「餅菓子屋さん」も去年閉店した。ここは、団子(みたらし、醤油焼、あんこ)餅菓子(おはぎ、柏餅、草餅、道明寺、大福餅他)おにぎり、太巻き、お稲荷さん等を扱っており、何れも安くて味も良かった。

 

ここの団子を買って、よくテニスや卓球の休憩時のおやつとして差し入れし、仲間の皆さんに喜ばれた。この店は30年以上も前に開店した店なので、駅前にあるのが当たり前と思っていただけに、閉店を知った時はショックだった。

 

このお店は、薬屋さんに替わり、その隣のパン屋さんは整骨院に替わった。お蕎麦屋さん、不動産屋さんは解体されコインパーキングになった。狭いエリアでの移り変わりが激しい。

 

 

 

2⃣ 筑前

料理を自分で作るようになって、まず本屋さんで「家庭料理の基本」(江上佳奈美著 新星出版社)を買ってきて、最初に作った料理が、その本のレシピの中の「筑前煮」だ。

 

           「家庭料理の基本」の中の写真

 

この本は、2人前を前提にしているが、私は4人前を作りたいので、食材の量は2倍にする。2倍にしても、蓮根、タケノコは100g、人参80g、ごぼう100g、きぬさや20g、こんにゃく1/2枚となっているので、店で買う量の半分は余ってしまう。

 

最初は、レシピに忠実に従って作った。蓮根は「酢水につけながら皮をむき」と書いてある。ボウルに酢水を入れ酢水の中でピラーで皮をむいた。

 

ごぼうは包丁の背で皮をこそぎとり小さめの乱切りにして酢水(ボウルの水3、4カップにに対して酢は大さじ1、2杯)に晒してアクを抜くとある。レシピ通りに皮をこそぎとり、酢水は計量して作った。

 

今考えると、何ともバカ丁寧に作っていたものだと可笑しくなる。その後ごぼうの皮は風味や栄養があってこそぎ取らない方が良いと知り、表面の泥を落とす程度に洗うだけにし、酢水もボウルの水に適当に酢を垂らして晒している。

 

食材の量もレシピの数値は目安とはするが、それに縛られずにその日ある食材をできるだけ使い切るように料理している。

 

煮物に限らず料理は段どりが8~9割だ。特に筑前煮は、干しシイタケを戻したり、コンニャクを下茹でしたり、ごぼうを晒したり、食材を切ったりの前処理が手間の大半を占める。後は鶏肉、野菜他を炒めて、だし調味料を加えて煮るだけだ。

 

4人前だと食材を切ったりすると量も嵩張るので、昔は中華鍋で作っていた。中華鍋だと鍋の鉄分が煮物に移るのか、出来上がった野菜の色が良くなかった。ステンレスの蓋つきフライパン(30㎝径✕6㎝高)で作るようにしたら、色は改善した。

 

先日久しぶりに筑前煮を作った。味は私の好みの味となり美味しく出来上がったが、やはり4人前の量は多く、朝夕頑張って食べたが、食べきるのに数日を要した。