新緑を求めて

一週間が、テニス、卓球、リハビリトレーニング、買い出しの繰り返しで過ぎて行き、今年もあっという間に5月半ばとなった。健康でそれらを楽しみながら日常が経過するのは、それだけで大変ありがたいことではあるが、たまには旅行とか観劇、観戦などの楽しみがあると、暮らしに張り合いができる。

 

今、山里は若葉青葉が映えて新緑が美しい時期だ。久し振りに新緑を求めて日帰りのドライブをしてみようと思い立った。ドライブは去年秋の北信濃行以来である。

 

行き先は何処にしようかと地図を広げる。日帰りで山岳地方というと、秩父、多摩、甲信方面かとその辺りに目をやる。柳沢峠を越える青梅街道を始め、埼玉県、群馬県山梨県、長野県境には十石峠、三國峠、雁坂峠があってそれぞれを街道が繋がっている。

 

雁坂峠の下には長いトンネルが貫通していて、道路(国道140号秩父往還)も整備され通行も容易であるが、十石峠三国峠を越える道は細く険しく、地図にも「天候不良時は通行困難」と記載されている。

 

目を金峰山の西に向けると、信州峠と言う峠があって、山梨県韮崎市と長野県川上村を結ぶ中継点だ。信州峠の名前は今回初めて知ったが、十石峠三国峠より道は険しくなさそうで、我が家からのアクセスもよいので、今回の行き先とした。

 

ルートは、中央高速の韮崎ICで降りて、金峰山の登山口増冨ラジウム温泉への県道23号を北進し、途中のみずがき湖で左折して信州峠に至る。峠からは長野県川上村に下り、国道141号(佐久甲州街道)へ出て、野辺山を経由して左回りで中央高速のICに戻るというものだ。

 

ウィークディで空いているは木曜日だけなので、日にちは5月16日と決めた。一週間前から天気予報を見ていたら、前夜の10時頃から雨が降るが、深夜の2時頃には止んで、その後当日の午前中は雲が残り午後から晴れるとの予報だった。

 

5月16日(木)

6:15 自宅出発 予報とは異なり、雨は完全に止んでおらず、霧雨が残っていた。

7:45 中央道須玉IC 韮崎IC で降りる予定であったが、考え事をしていて通過してしまい、次のICで降りる。当初予定していた韮崎ICからの道順は変わるが、急ぐ旅でもないので、須玉ICから一般道で、県道23号にでた。

 

須玉IC近辺の人家の多い所から、田舎道へ入って行く。小雨が降っており行楽には生憎の空模様だ。しかし雨の中を走るのも、これはこれで静かで趣きがあって良いものだ。雨に洗われた木々の葉の緑も美しい。

 

 

9:10 みずがき湖 ここから増冨への道と分かれて左の地方道を進む。雨にガスが混じってきた。

 

9:30 信州峠 あっけなく峠に着く。峠の手前は九十九折(つづらおり)だったが、難なく登れた。

 

峠を越えて、長野県川上村に入ると、そこは晴れていた。道の両側の畑は一面に白いビニールが被せてある。川上村は高原キャベツの一大産地である。キャベツ畑であろうか?

 

目の前の小山の上部は、若葉の黄緑が美しい。

 

 

9:35 JR小海線 信濃川上駅 最近改築されたのか新しい駅舎で、JRの委託と思われる中年の女性が、丁度入ってきた上り列車の改札業務をしていた。

 

 

駅の近くに、私の苗字と同じ名前の集落があるので行ってみる。私の苗字は比較的珍しく学生時代電話帳で調べたら、名古屋でも2~3軒しか無かった。故にこの名前が町の看板や店の名前で見かけることは一度も無かった。

 

この集落に入ると、道路脇にここの地名を示す〇〇(私の苗字)と大きく書かれた表示板が目の前に現れてビックリする。知らない土地で自分の名前を呼ばれたような気分になった。その他、川上村消防団〇〇支部とシャッターに大きく書いてある。こそばゆい。

 

実は、学生時代に5万分の一の地図を見ていて、偶然にこの川上村に私の苗字と同じ名前の地名があることを知り、いつかその地を訪ねててみたいと思っていたのである。私のルーツと関係があるのかどうかは定かではないがやっとその願いが叶った。

 

11:00 南牧村畜産直売所 川上村から国道141号(佐久甲州街道)に出て南下する。又雨が降り出した。街道沿いの直売所に寄る。各種のバター、チーズ、ヨーグトが棚に並んでいる。アイスボックスを持参していなかったので、それらの乳製品は買わずにソフトクリームを買って車で食べた。濃いミルクの味がした。

 

直売所を出発して国道に出ると、一面の濃霧に包まれた。車はライトを点灯しても、対向車は直前に来るまで分からず突然現れるのでびっくりする。ホワイトアウトとまではいかないが、私がこれまでに経験した中では最も濃いものだった。

 

道路標識もほとんど読めず、信号も直前まで分からない。次の甲斐大泉に行くには、清里で国道を右折せねばならないが、右折時に対向車が直進して来るのではとヒヤヒヤしながら曲がり終えた。

 

清里から甲斐大泉まではJRで一駅であるが、JRに沿った道が無い。濃霧で視界の効かない中を、地図、スマホ地図、カーナビ地図を総動員して、スマホで車の現在位置を確認しながら、慎重に進んだ。

 

11:50 甲斐大泉パノラマ温泉 霧の中やっと温泉に辿り着く。ここはネットで割と評判が良かったので選んだ日帰り温泉である。

 

 

施設は、室内大浴場とサウナ、大きな露天風呂だけのシンプルなものだ。掲示板によると、この温泉の水は硬度38度PH8の深層天然水ということだ。露天風呂の先は下り斜面になっていて何もないので、天気が良ければ富士山を始めとする周りの山々がパノラマ状に見えるという。今日は霧に包まれて湯に浸かった。

 

施設内の休憩所で食事もできると言うので行ってみたが、メニューは麺類とカレーだけだったので、昼食は帰りの街道沿いの店で食べることとする。

 

13:05 甲斐大泉温泉発 出発の頃になると霧も晴れてきた。温泉から高速までは下りの一本道だ。ギアをマニュアルにしてフットブレーキはほとんど使わずにギアチェンジだけで飛ばす。私は下りの山道をエンジンブレーキで走るのが大好きだ。

 

途中食事処を捜しながら運転する。「これは」と言う店に車を停めると、お休みだったり、営業中の店を通り越したりして店を見つけられないまま、今朝降りた須玉ICまで来てしまった。

 

13:55 韮崎道の駅  国道沿いの道の駅に寄ってみる。品物数が少なく買いたいものも特にない。道路の反対側に大きなドーム状の施設がある。「何か?」と店のスタッフに尋ねると「温泉」ということだ。客は温泉の方が多いのだろうか?

 

食堂も併設されていたが、ここもメニューは麺類とカレーぐらいしかない。仕方ないので山菜そばを注文する。お店の人には失礼だが、期待していなかったせいか意外と蕎麦もつゆも美味しかった。

 

14:55 道の駅出発 国道20号甲州街道)は韮崎から甲府を経由して勝沼まで片側2車線で信号も少なく走りやすい。その先は片側1車線となるが、山間部を通るので車は少なくほとんどノンストップで走ることができる。時間がまだ早いので、20号で大月まで行くこととする。

 

大月から中央道に入り、17時半に帰宅した。晴天に恵まれず、山間部からの眺望はできなかったが、静かな山旅を楽しむことができた。