暦の二十四節気で今年の立秋は8月7日、処暑は8月23日であった。
暦生活手帳には、立秋は「秋の気配が少しずつ感じられる頃、涼風がそよぎ、ヒグラシが鳴きはじめ、秋の始めを演出してくれる頃」処暑は「夏の暑さが和らぐ頃、マツムシや鈴虫など心地よい虫の声が聞こえてくる。稲穂が色づき始めると同時に台風の季節も到来する頃」と書いてある。
暦の上では秋らしい涼し気な言葉が並ぶが、現在の日本列島の気候は、まだまだ猛暑、酷暑の続く真夏の真っ最中で、とても「秋の気配」は感じられない。近年は暑い夏が10月頃まで続いている。最近気象庁が発表した向こう3ヶ月の天気予報によると、今年9,10,11月の3ヶ月とも気温は平年より高いとのことで、今年も夏は長く続きそうだ。
昨今は地球温暖化の影響で、全体的に四季の気温が高くなってきたことによるものか、四季の特徴を感じる機会が少なくなったような気がする。しかし、繊細な感性を持った日本人は古来より、四季の移ろいに敏感で、四季を和歌や俳句、書画に表現して四季をこよなく愛してきた。
ここで話は飛躍するが、以下に四季と地球、月の関係を記します。
日本に限らず、地球上では赤道と南北の極地を除いて四季が存在する。これは、地球の自転軸が太陽の周りをを公転する軌道面に対して垂直な方向から約23度傾いているからだ。すなわち、日本では北半球が太陽の方向に傾く時期が、陽の長い暑い夏で、その逆が冬となる。
この自転軸の傾きは一定ではなく、現在は23.4度だが、22.1度から24.5度の間を行ったり来たりしていて、その周期は約41,000年だそうだ。傾きが大きくなると四季の差が大きくなり、小さくなると穏やかになる。
それと、回っているコマのように、傾く方向も円を描くように動き、23,000年かけて方向が元に戻るということだ。
この41,000年とか23,000年という期間は、地球の歴史(46億年)からすると、非常に短い期間で、人類(ホモサピエンス)が誕生した約30万年から数えても、人類は7~8回も自転軸の最大最小を経験していることになる。
地球の自転軸が何故傾いているかというと、それは地球が生まれた頃の原始地球の時代に、テイアと言う火星ほどの大きな原始惑星と衝突したからだと考えられている。
地球の自転速度は、現在1回転(一日)24時間であるが、地球が生まれたての原始地球では、一日が約6時間だったと推測されている。それが46億年かけて現在の24時間になったのは、月による地球の潮汐運動によるものだ。
月の重力は、地球の海を引っ張り、潮の満ち引きを起こす。地球は自転しているために「潮のふくらみ」が少しずれて摩擦力が働き、地球の自転にブレーキがかかるためだ。
月は地球に対して地球の自転速度を少しずつ遅らせていることのほか、地球の自転軸の傾きを安定させる働きもしている。もし月が無かったら、自転軸の角度は頻繁に変化し地球上での安定した「四季」は望めない。
現在地球では、一日が24時間であることは当然のこととして万物は動いているが、長い時間のスパンで考えると、一日はは少しずつ長くなっている。また、地球の自転軸が約23度という絶妙な値に傾いているために、我々人類を始めとする生き物たちは、毎年の四季を享受しその恩恵に浴している。神様に感謝したい。
―了ー

