「年甲斐も無く」とか「いい年をして」と笑われそうだが、私は「ラブストーリー」が好きである。映画やドラマはそれが公開された時とか放送されたと時には見ていないが、CSで再放送されたものを録画して見ている。
「ラブストーリー」の中でも、胸がキュンとなるような純愛ものはとくに良い。見終わっても、いつまでも余韻が残る。
以下に私の印象に残った作品を列挙します。
※作品紹介文中の名前は、役名ではなく、俳優の名前を使っています。
1⃣ 洋画
・「プリティー・ウーマン」 (ジュリア・ロバーツ、リチャードギア)
ラブストーリーと言うよりシンデレラストーリーなのかもしれないが、私はこの映画 で、ジュリア・ロバーツのファンになった。
・「ノッティングヒルの恋人」 (ジュリア・ロバーツ)
ハリウッドの有名女優とイギリスの平凡な本屋の青年との奇跡的な出会いと恋の行方を描いたもの。 どこかオードリーヘップバーンの「ローマの休日」を思い起こさせる。
・「追憶」 (バーブラ・ストライザンド、ロバート・レッドフォード)
映画の全編に流れる主題歌(The WayWeWere)のメロディーが何とも切なく聞こえる。同じ大学で知り合ってから約20年間の二人の関係を描いている。結婚したが、生き方の違いによりバーブラのお腹に子供を身ごもった時に別れる。数年後ニューヨークの街角で偶然再会した二人は過去の思いに溢れかえりそうになるが、別々の道を歩んでいこうとするラストシーンに共感した。
シアトルに住む妻に先立たれた孤独な男性のラジオメッセージを聞いたボルチモアの女性記者が心打たれる。ラストのエンパイアステートビルの屋上で出会うシーンが良い。
2⃣ 邦画
・「幸福の黄色いハンカチ」 (高倉健、倍賞千恵子)
共に北海道を舞台にした山田洋次監督の作品、山田監督は高倉健と倍賞千恵子の魅力を上手く引き出している。
大晦日の夜、北海道増毛駅前の若女将倍賞千恵子の小料理屋で高倉健が吞んでいる。店は二人きりになり、テレビからは紅白で八代亜紀が歌う「舟唄」が流れている。倍賞千恵子が健さんの肩に頭を寄せてしんみりと聴いているシーンが頗る(すこぶる)良い。寡黙な健さんとしっとりとした倍賞千恵子がこの場面に溶け込んでいる。監督は降籏康男、雪の風景描写も素晴らしい。
・「Love Letter 」 (中山美穂<二役>)
主人公博子は、事故で亡くなった婚約者の昔の住所に、あてのない手紙を出すと婚約者と同姓同名の女性から返事がきて、彼女が婚約者の友人と分かる。その後婚約者の中学時代の様子が少しずつ分かっていく。喪失感をテーマにしながらも、初恋の甘酸っぱさをも兼ね備えた作品だ。
終電を逃したことで出会った二人が、映画や音楽の趣向が全く同じことから恋に陥る。大学を卒業して同棲も始めたが、二人は価値観が違って、「追憶」のように最後は別れることになる。
余命1年と宣告された女の子(桜良)が、やがて訪れる死に怯えながらも、そんな素振りは微塵も見せず、周りを気遣って明るく振舞っている。「僕」と桜良は正反対の性格なのでお互い自分に欠けている部分に憧れをもって成長していく。
後述の「雪の華」も余命1年を宣告された女性の話しであるが、作品としてはこちらの方が数段優れていると思った。
<ヒット曲を題名にした作品>
・「涙そうそう」<モチーフ:夏川りみ・涙そうそう> (妻夫木聡、長澤まさみ)
沖縄那覇を舞台に、自分の店を出すために懸命に働く兄が、血のつながりのない妹と一緒に織り成す物語。ラストシーンからのエンディングに流れる「涙そうそう」の曲が涙を誘う。
・「ハナミズキ」<モチーフ:一青窈・ハナミズキ> (新垣結衣、生田斗真)
北海道の高校時代に水産高校の生田と恋に落ちた高校生の新垣結衣が、その後大学に進み、就職してからも、遠くに離れ、時にすれ違いながらも10年間愛を貫き通そうとする姿を描いたもの。新垣結衣が映画の中で、年齢と共にだんだん美しくなっていく。
・「糸」 <モチーフ:中島みゆき・糸> (菅田将暉、小松菜奈)
平成元年生まれの主人公の二人は、13才の時北海道で恋するが、小松菜奈は北海道を去る。8年後二人は東京で再開するが、それぞれ別の道を歩み始めていた。更に10年後二人は運命の糸によって再び巡り合うことになる。二人の関係を平成の時代とともに描いた作品。
・「雪の華」<モチーフ:中島美嘉> (登坂広臣、中条あやみ)
余命1年と宣告された女主人公が、ひょんなことで登坂と出会い恋をする。生前に悔いを残さぬようにと、1ヶ月の「恋人契約」を結び、二人でフィンランドへも旅行する。契約が終わって、入院前に再度フィンランドへ一人でオーロラを見に行った彼女を登坂が追いかける。 この映画の感想には酷評も散見したが、ラストの赤いオーロラは合成かもしれないが、圧巻だった。
3⃣ 国内ドラマ
配役はバツイチの気象予報官・佐藤浩市、FM曲のDJ深津絵里、その友人のシングルマザー稲森いずみ。いずれも恋愛下手な3人の男女が織り成す三角関係を描く。
真の幸せを求めて彷徨う(さまよう)男女の姿を描いたもの。田舎の平凡な駅員が人妻とその娘とともに全国を逃避行する。
原作・脚本は野沢尚、本ドラマはラブストーリーの傑作だと思う。
・「愛していると言ってくれ」 (豊川悦司、常盤貴子)
聴覚に障害がある新進青年画家と女優を目指す若い女性との純粋で繊細なラブストーリー。
脚本は北川悦吏子、将にラブストーリーの王道を行くドラマだ。
どこにもいそうな大学4年生の妻夫木と病気で聴覚を失い心を閉ざしてしまった柴咲のラブストーリー。大学の卒業を1年後に控えた若者たちの青春ドラマでもある。脚本は北川悦吏子
妻夫木は今自動車教習所で働いているが、大学時代には映画監督を目指していた。高校時代の教育実習生だった深津と再会したことから、夢を捨てきれない男と強気だが恋に奥手な女の恋が始まる。
恋に仕事に華やかであろう20代の人生を、恋愛を半ば放棄して、ぐうたらに過ごす「干物女」雨宮蛍を綾瀬はるかが演ずる。恋を放棄した干物女の恋物語だ。
両親を亡くし、3人の弟を養いながら、ホームセンターで働く27才彼氏なしの姉ちゃん(有村架純)。明るくて前向きでちょっとガサツな姉ちゃんが、職場で恋に落ちる。そんな姉ちゃんの恋の物語。
メールを通じて知り合った男女が心を通わせていく「大人の恋愛」を描いた作品。この作品のキャッチコピーは「二人は一度も出会わずして、一番大切な人になった」である。
名古屋の中部日本放送(CBC)が制作し、2013年10月5日にTBS系列で放送された。脚本は北川悦吏子、彼女の出身地岐阜県の郡上八幡を舞台に、大人の男女の心情をリアリティに満ちた台詞で丁寧に描いている。
将来に不安を抱えた現代社会の中で、新たな一歩を踏み出す再出発の物語だ。
私はこの作品が、「ラブストーリー」の中ではベスト1だと思っている。