ワクチン

7月12日、東京都に4回目の緊急事態宣言が発令された。それから1週間経ったが、新規感染者は減るどころか増え続けている。14日に1000人を超え第4波のピークを上回わり、15日1308人、16日1271人といずれも前の週より増加し、17日には1410人と第2波の1月以来の高レベルとなってしまった。

 

15日の東京都モニタリング会議では、このままのペースで感染が進めば、2週間後には1400人を超え、、4週間後には2400人を超えると報告された。(2日後の17日には、早くも1400人を超えてしまったが・・・)

 

昨年初め、国内でのコロナ感染が認められてから、もう一年以上に渡って、国、自治体、企業、個人が感染対策を行ってきた。しかし、ウィルスがどんどん変異し進化しているのに、それに追いつく有効な手立てが打てずに、感染が拡大したり一時的に縮小したりを繰り返しながら、今日に至っている。

 

2年近くも自粛と我慢の生活を続けていると、ストレスが蓄積して精神衛生上もよろしくない。そんな中で、コロナ対策として唯一希望を持てそうなのが、ワクチン接種だ。

 

昨年までコロナ感染者や、コロナによる死者において、悲惨な状況であったアメリカ、イギリス、イスラエルといった国々は、ワクチンの接種が進み、その効果が現れ感染者も減り、色々な規制も解除され、市民も元の生活にもどりつつある。

 

イギリスはワクチンでいったん減った感染者が、最近デルタ変異株により再拡大しているが、重症者数や死者はワクチンの効果で非常に少なく抑えられているという。ワクチンは万能ではないが、少なくともコロナにより重症化するリスクは抑えられ、医療崩壊の危機は避けられていそうだ。イギリスはこの理由で感染が拡大している中で、規制は全面解除しようとしている。

 

 

翻ってわが国を見てみると、残念ながらワクチンに関しては、世界の潮流から完全に遅れをとってしまった。わが国には開発能力があるのに、本格的な予算を付けた研究開発が先送りにされた。よって自国での開発が間に合わず、海外からの調達に頼らざるを得なくなり、納入時期の遅れから、接種開始時期も欧米に比べ著しく遅くなった。

 

それでも、なんとかファイザー、モデルナのワクチンが到着し、医療従事者、高齢者の順に接種が始まった。開始直後は予約が殺到して混乱したが、次第に接種の手際も良くなったのか、接種が進み、7月12日時点で、6000万回を突破したということだ。

65才以上で1回接種した人 76%  2回接種した人 47% になるそうだ。

 

政府は、接種を加速させるため、自治体による個別接種、集団接種に加えモデルナによる大規模集団接種、年齢等の制限のない職域接種を試みた。職域接種には、大学や企業が即反応し、申し込みが殺到したためワクチンの供給不足が発生して、接種の延期を余儀なくされているところが多いと聞く。

 

基本的な数量把握システムがうまくいってなかったのだろうか?心もとない話だ。

 

個人的には、私はお陰様で、申し込みもネットで待たされることもなく済み、7月11日に2回目の接種も終わった。副反応は、当日と翌日打った個所が痛かった程度で済み、後は体内に抗体ができるのを待っている状態だ。

 

 東京都の感染者に話を戻すと、重症患者の割合は、ワクチン接種が進んでいる高齢者は減少しているが、まだ接種が十分ではない4~50台が一番多いという。

 

京大西浦教授らのチームによる試算では、8月上旬に重症者用病床使用率が70%を超え、重症者のほとんどは、4~50代になるだろうとのことだ。

 

最近、4~50代問題としてクローズアップされつつあるが、働き盛りのこの世代が大量に感染し、重症化するということは、国家、企業、組織の重大な損失であり危機である。

 

この世代のワクチン接種は、自治体によりバラバラであるが、今のところ、若年層の後になるというケースがほとんどのようだ。

 

この世代の更なる感染対策の徹底と早期にワクチン接種が行われることを願っている。

 

 

先日テニスの練習会に参加したら、2回ほど休んでいた仲間が、「白い恋人」をもって現れ、北海道旅行をしてきたと言う。その仲間と奥さんは、既に2回目のコロナワクチンの接種後3週間経ったので、夫婦で行ってきたそうだ。

 

梅雨のない北海道は今旅行には最適な季節で、9日間の旅行期間中雨には一日も降られなかったという。宿は50%ほどの入り、コロナ前はインバウンドの外国人や国内の客でごった返していた観光地も人影少なく快適な旅を堪能できたという。

 

2年近く自粛している者にとっては、なんとも羨ましい話であった。しかし、自分が接種後3週間が過ぎたら、旅行したいという気持ちになるだろうか?と考える。第5波の感染が拡大中で、東京には緊急事態宣言が発令中の中での長距離旅行は気分が乗らないと思う。

 

まだ国民の大半がワクチン未接種で、感染の脅威に晒されながら通勤している人の前を、大きな旅行ケースで動き回るのは、さすがに気が引ける。

 

それとワクチンの効果は万全ではない。初期のウィルスであれば、ファイザーワクチンは95%の有効性があったというが、今流行りつつあるデルタ変異株の有効性は、それよりかなり劣るようだ。したがって、ワクチン接種していても、感染しないとは限らない。イギリスでは3回目のワクチンを接種するという話もある。

 

まだまだ我慢が続きそうだ。