富士眺望

5月30日のNHK-BSP「日本百名山」を見た。この日は富士山北麓御坂山塊西部に位置する「王岳」「鬼ヶ岳」の放送だった。富士五湖の西湖越しに見える富士山の絶景が見事だった。

 

私は富士山が大好きで、東海道新幹線に乗る時は、いつも三島辺りから見え始める富士山を富士川の鉄橋を渡って見えなくなるまで、雪の被り具合とかを目で追ってその秀麗な美しさを堪能していた。

 

電車からだと、中央線の多摩川鉄橋や、小田急小田原線の秦野-新松田区間からも眺められ、特に冬季の真っ白な雪の富士山は息を飲むほど美しい。

 

埼玉県や群馬県から、関東平野の先の秩父の山々の上に富士山を確認できた時とか、房総半島の東京湾の向こうに富士山が見えた時などは、「こんなところからも見えるのか」と感動して得した気分になる。

 

山に登れば、特に南アルプスでは、雲海に浮かぶ富士山を遠望できた時はその神々しさに畏敬の念を感じる。八ヶ岳を始めとして中部関東地方の高い山からは、ほとんど眺めることができるが、近場では丹沢、奥多摩秩父の山地や箱根、伊豆の山々、さらにハイキングコースの低山でも、その雄姿を望むことができる。

 

真近に富士山を見たい時は、やはり富士山の近くに限る。山梨県側では、富士五湖周辺、富士吉田、忍野周辺からの富士山は近いだけに迫力がある。

 

 

テレビを見終わって、「このところ富士山を見ていないな~」との思いに至り、急に富士山が恋しくなった。天気予報を調べると、明日は雨だが明後日は朝から晴、この日はテニス卓球や他の予定が入っていないので、急遽富士山を見に行くこととする。

 

先月、NHKテレビのニュースで、日本富士山協会が「富士山周辺トレッキングガイド」なる18コースの紹介パンフレッドを作成したと報じられたので、富士吉田観光案内所に電話して、そのパンフレッドを取り寄せていた。

 

それによると、「おすすめは何といっても精進湖からの『パノラマ台』、手軽さ、楽しさ、感動の絶景!富士山展望トレッキングのデビューに最適。所要時間2時間」とある。他のコースは全て所要時間4~7時間で、歩くのもきつそうだ。私は車で行く予定なので、迷わずこの「精進パノラマ台コース」を選択した。

 

 

6月1日(水)

6:20 早起きしてこの時間に精進湖着。因みに(ちなみに)「精進湖」を今迄「しょうじんこ」と読んでいたが正しくは「しょうじこ」だった。知らなかった。

 

湖畔の駐車場に車を停め水際に行く。浜にはテントが二張り設営されており、昨夜は湖畔のキャンプを楽しんだようだ。焚火の跡もあった。

 

精進湖の先に早朝の富士が聳える。湖には波がほとんど無く、逆さ富士もきれいに見ることができた。

 

 

 

 

7:00 登山道「パノラマ台入り口」出発。広葉樹林の登り一方の道を進む。

 

 

 

途中木の間から富士山の頭が顔を出す。

 

 

登りの傾斜はそんなに急でもなく、急な階段とか岩道があるわけでもないのに、だらだらとした登り一本の単調な道に、後半急にバテてきた。息が切れて、何度も立ち止まって休む。

 

8:30 精進パノラマ台。ハーハー言いながらやっと台地に着く。標高1325mの山の頂がパノラマ台、目の前に富士山の全容が広がる。

 

 

 

広大な深緑(ふかみどり)の青木ヶ原樹海を包み込むように、その向こうに壮大な富士山が裾野を大きく広げて横たわる。この絶景はやはりこの高さまで登ってきた者にのみ、与えられるご褒美なのだろう。

 

 

ここから見る左右対称の裾野のラインの何と美しいことよ。じっくりと観察すると、西側の傾斜の方が東側よりもほんのわずかに大きい。

 

 

数ある富士山の絶景の中で、ここからのものは、裾野の広がりが格別に大きく見える。

 

 

しばらくして若い男性が一人登って来たが、10分程周りの景色を見て下山してしまった。「もったいないな」と思う。彼が滞在した時間以外は、ずっとパノラマ台の景色を独り占めした。1時間程ここで富士を眺めて過ごし、この景色を目に焼き付けた後、9:30に下山する。

 

 

10:10 精進湖畔 湖畔からの眺めも、早朝と比べ空の色も変わり、趣きが異なっていた。

 

 

 

 

 

10:40 ここから車で移動

 

11:00 西湖野鳥の森からの富士山の眺め

 

 

11:05 西湖からの富士山の眺め

 

 

 

11:20 河口湖からの富士山の眺め

 

 

 

11:50 富士山駅近くの吉田うどん屋 地元では評判のお店で、テレビでも紹介されたらしい。私は麺類好きで、腰の強いうどんも好みではあるが、今回は私の舌には合わなかった。

 

 

12:35 山中湖からの富士山の眺め わずか1時間で富士山に雲が湧いて上部は見えなくなった。

 

 

 

12:40 帰路は一般道の国道413号(道志みち)を通り、「道志の湯」で温泉に入って帰宅する。

 

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山中湖の東端平野(ひらの)から三国峠を越えて国道246号にでる道がある。その道の平野から少し登った所に、やはり「パノラマ台」と称する富士山ビューポイントがある。ここは道路の脇にある平地で、山に登らなくとも絶景を楽しめる。

 

ここは、車だけで行けるので、何度も訪れているが、平成30年9月3日 8:00に「パノラマ台」の後ろにある丸い坊主頭のような山(明神山1291m)に登ってみた。下の写真は、その時明神山山頂から撮ったものである。9月初めで富士に雪は無い。右の水面は山中湖