GW(ゴールデンウィーク)

4月27日から始まった今年のGWも、今日は後半4連休の三日目で、あと明日の一日を残すのみとなった。今年は前半の空模様は、雨や曇りで芳しくなかったが、5月2日からの後半は、全国的に晴れの行楽日和に恵まれた。

 

コロナの規制もすっかり無くなり、全国の行楽地はインバウンド客も加わって大変な賑わいを見せているようだ。

 

ゴールデンウィーク」という名前の由来は、諸説あるようだが、一般的には映画会社が命名したとされている。昭和26年春の大型連休に上映された映画「自由学校」の興行成績が良かったことから、当時大映の専務が命名したというものだ。それまでは、正月と盆以外映画はヒットしないとされていたそうだ。

 

子供の頃から、人の混雑する場所は苦手だったので、GWに何処かへ行ったという記憶はあまり無いが、今思い浮かぶこの時期に纏わる思い出を綴ることにします。

 

1⃣ 小学3年生

小学校時代、学校が特に嫌いという訳ではなかったが、学校が休みというのは嬉しかった。だから一週間のうち土曜日はワクワクし、日曜日の夕方から夜にかけては気分が重かった。

 

この年は、5月4日が日曜日で3日、4日、5日が3連休となった。当時夏、冬、春休み以外で3日も続けて休みになることはなかったので、私は大いに喜んだ。中日の4日に母が知人宅を訪ねた時お供をした。

 

当時私は名古屋の千種区に住んでおり、母の知人のお宅は瑞穂区にあった。その時名古屋にはまだ路面電車の市電が走っていて、私たちは、今池から新瑞橋まで乗車した。私はその区間は始めて乗ったせいか、すごく長時間乗っていたと記憶する。

 

子供の頃、乗り物は好きだったので、飽きることなくゆっくり走る市電の窓外の街並みを楽しんだ。途中の停車場から大きな紙に包んだ草花を抱えた中年の女性が乗り込んできた。それは明日の「端午の節句」を祝う菖蒲で、車内にその爽やかな香りが漂った。

 

2⃣ 雪洞

会社に入って一人で山を巡っていたが、途中から会社の山岳部に入部した。GWに山岳部部山行は南アルプスの北沢峠をベースにした甲斐駒-仙丈ケ岳が計画された。私も参加予定であったが、直前に仕事の関係で不参加となった。

 

仕事はGW前半に片付いたので、後半に、一人で北岳山麓に行くことにした。私は前のシーズンから雪山に行くようになったが、雪洞の経験は無く一度雪に中で過ごしてみたいと思っていた。雪洞の体験をしたかったのだ。

 

積雪1m以上はあると思われる現地に到着し、雪洞が作れるか考える。雪のブロックを積み上げるドーム状のものは、一人では大変だと判断し、崖横に積もった雪を横から大きく蒲鉾状に穴を掘りそこに入ることとした。

 

雪洞の中で、湯を沸かして食事をし、マットを敷き寝袋に潜り込んで一晩過ごした。翌朝天井の雪が少し下がっている様だった。加藤文太郎が吹雪の北アルプスで、雪洞を掘って、中で甘納豆と煮干しを食べて過ごした感覚を少しだけ味わった。

 

翌日は、奈良田までの長い長い林道をひたすら歩いて帰った。

 

 

3⃣ 三河湾

愛知県の火力発電所に長期出張していた時、GWに一時帰宅はできなかった。その代わり現地で休みが取れたので、三河湾沿いをドライブした。

 

三河湾は内海なので波は静かで穏やかだ。国道沿いのあちこちの民家には、大きな鯉のぼりが青空の中を悠々と泳いでいた。初夏の誠に気持の良い風景だった。

 

          写真ACより    Pojio  さんの作品

 

車のラジオを付けると、「のど自慢」をやっており、オジサンが「細雪」を歌って鐘一つだった。丁度この時のゲストが五木ひろしで、オジサンは出だしの「泣いてあなたの・・・」の歌い方を五木ひろしから教授されていた。

 

忠臣蔵の敵役吉良上野介の地元吉良町を過ぎて隣の一色町に入る。一色町はこの当時鰻の養殖全国一位と言われていた。

 

街道沿いの料理屋に入り、鯛刺身盛り合わせと鰻重を注文する。鰻が特別に旨かった。

 

4⃣ つつじ

子供が大きくなると、GWは夫婦で近場のつつじ、さつきの公園を訪れた。青梅市の塩船観音、東京の根津神社、向ケ丘遊園などである。

 

「つつじ」といえば、群馬県館林のつつじが有名である。いつも引き合いに出して恐縮だが、森山愛子の曲「尾曳の渡し」の2番のサビの部分、「赤いつつじの 花びらが 揺れて涙の 尾曳の渡し」のつつじのモデルは館林のつつじだ。

 

森山愛子が唄う「赤いつつじの~」のファルセットの使い方は抜群で、何度聴いても彼女の歌の上手さには痺れてしまう。 

 

5⃣ 秩父羊山公園長瀞

卓球を始めて最初に入会したサークルのバス旅行に参加した。それまでの車の旅は、いつも自分が運転していたので、アルコールは御法度だ。バスだと道中車内で飲めるのが嬉しい。

 

GWの羊山公園は、人でいっぱいであったが、混雑は覚悟し折込んでいたので、それほど苦にならず、広大な芝桜畑を堪能できた。

 

長瀞は40年振りの再訪で、40年前のことを懐かしく思い浮かべながら散策した。船には乗らなかった。