ういらう(ういろう)売り

私はテニスと卓球の7つのサークルに入会している。何れも試合を目指す本格的なものではなく、親睦を目的としたものばかりだ。

 

7つのサークルの会員は合わせると90人位となり、皆さん良い人ばかりで、テニス卓球の合間に親しく会話したり、各サークルの親睦会等に参加させて頂いたりして楽しく過ごさせてもらっている。

 

各サークルの練習日には極力参加するようにしているので、カレンダーの予定欄は、ほぼ毎日どちらか又は両方の予定で埋まっていた。コロナによる自粛が始まる2月中旬までは。

 

2月下旬から自粛生活が始まり、それ以降、約90人のサークル仲間とは一切会えなくなってしまった。終日家に一人でいるので人と会話することが無くなり、急に言葉を発すると声がしゃがれてしまう。

 

これはマズイと思い、大きな声で本の朗読をすることにした。

教材に選んだのは、10年以上前に流行った「齋藤孝著 声に出して読みたい日本語」その第2巻にある「ういらう(ういろう)売り」

 

これは、「ういろう」という薬(お菓子の「ういろう」ではない。)を路上の聴衆に売るための口上だ。この薬は万病に効くばかりでなく、効能の第一は舌のまわることとして、早口言葉を満載している。

 

齋藤孝さんの解説によれば、

「『ういろう売り』は、早口言葉のお徳用詰め合わせセットだ。大道芸の古典中の古典にして、アナウンサー養成所の定番メニューでもある。

(中略)この口上は、名優・二世市川團十郎が完成させ、歌舞伎の演目になっている。立て板に水の見事な早口芸で人気の出し物・・・」

とある。

 

3月初旬から読み始めた。初めの頃は何度も何度もつっかえ、一回読み終わるのに10分近く要した。一日5回を目標にほぼ毎日読んでいくと、10分が8分、5分と徐々に時間が短縮し、最近では3分位で読了できるようになった。

 

しかし、3分近くなると、今の読み方では第三者に正確な言葉として伝わっていないかもしれない。早口と正確さを両立させるのは難しい。

 

自粛期間中は、これからも続けようと思う。ボケ防止にもなるかも。