ラジオ 2

前回に引き続き、私が聞いているラジオの番組について書きます。

 

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毎朝のTBS「森本毅郎スタンバイ」以外では、下記番組をよく聞いている。

 

① TBS「大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版」土曜日15:00~17:00

 

この番組は、平日の、8:30~13:00、30年間続いていたものが、2016年に終了し、以降土曜日の週一回の放送に生まれ変わった。

 

大沢悠里さんは、今はフリーのアナウンサーではあるが、ものまねとか話芸においては、いっぱしの芸人以上の才能を有している。リスナーから集めたちょっとエッチな話を、おもしろおかしく脚色して話す「お色気大賞」は、エッチではあるが下品でいやらしくなく、明るく笑えるところが良い。悠里さんの才能だろう。リスナーにも好評で、過去の放送で選りすぐったものを、まとめてCDで発売もしている。綾小路きみまろさんも脱帽だ。

 

番組では歌手とか、色々な分野の方をゲストに呼んでトークするのであるが、悠里さんはゲストを非常に大切にする。ゲストが来場する時は、いつもエレベーターの前まで足を運びお迎えするとのこと。

 

悠里さんは、放送人ではあるが、TVには出演せず、ラジオ一筋できた方だ。ラジオに対する思い入れ、愛情は並大抵ではない。悠里さんは番組の中でよく「ラジオは耳で聞いて想像することにより、無限に世界が広がる」とか、「リスナーとの距離感が、TVの視聴者のそれと比べて、近く親しみやすい」と 語っている。

 

前回、遠藤康子さんと気象予報士、交通管制センターキャスターとの録音放送へ生放送を入れ込むことを書いたが、このようなことは、放送の達人悠里さんにとっては、オチャノコサイサイである。

 

「ゆうゆうワイド」が午前に放送していた時、 毒蝮三太夫さんの「ミュージックプレゼント」という公開生放送のコーナーがあって、お互い生放送なので、番組中は丁々発止のやりとりをしていた。

 

ある日、「ミュージックプレゼント」が何かの都合で録音となったが、毒蝮さんは悠里さんが、スタジオにいるように話しかけて録音を済ませる。それを受けた悠里さんは、生放送で、さも毒蝮さんがその時点で、そこに居るがごとくに、受け答えをしたものだった。途中から聞いた人は、いつもの生放送と思ったに違いない。

 

 

② TBS「文学の扉」日曜日 21:00~21:30

 

この番組は、女優の中嶋朋子さんがパーソナリティを務め、洋の東西を問わず、名作とよばれている作品を一つ選び紹介している。毎回中嶋さんと一人のゲストの二人によって、その作品の名シーンを1回、又は2回でラジオドラマ化して放送している。

 

時には何十人もいる登場人物を、一人で4~5役かけもち、声を変えたりして対応する。大作も20~40分くらいで纏めなけばならないので、脚本は大変だと思うが、割と要領よく出来上がったものが多い。

 

ちなみに、6月20日、27日の2週にわたって紹介された作品は、堤中納言物語より「虫めずる姫君」だった。

 

題名は知っていても読んだことのない人に、興味を持ってもらい実際に本を手に取って読んでもらうキッカケを狙った番組だと思う。

 

 

③ NHK第2 「朗読の時間」 土曜日 21:45~23:00

 

これは、平日15分づつ放送しているものを、一週間の5回分をまとめた再放送だ。取り上げる作品は日本の近代文学、最近では川端康成の「痴人の愛」、有吉佐和子の「紀ノ川」現在は太宰治の「思い出」他の作品集が放送されている。

 

朗読は俳優やアナウンサーが担当している。NHKは、作品に合った声質の読み手を選んでいるようだ。「紀ノ川」を朗読した女優の藤田三保子さんは、和歌山弁が非常にお上手で、朗読も作品の内容にとてもマッチしていて、50回もの長編で、終わるまでに10週間かかったが、最後まで聞き手を惹きつけて終わった。

 

ラジオは想像力を掻き立てるので、映画やTVよりもリアル感が増幅されることがある。かなり前に放送された江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」の朗読を聞いた時のことだ。主人公が墓に埋められた男と身代わりになる為、墓を掘り出し、腐乱した男の死体を柩(ひつぎ)から引きずり出し、自分がその柩の中に入るシーンでは、その詳細な描写の朗読で、身の毛のよだつ思いがしたものだ。

 

 

④ NHK第1 「ラジオ深夜便」 毎日 23:05~5:00

 

毎晩放送される深夜の長丁場の番組なので、私が聞くのは、0時頃までで途中で眠ってしまうことも多い。

 

私のお気に入りのコーナーは、月曜日の「深夜便かがく部」、火曜日の「深夜便ぶんか部」土曜日の「深夜便ビギナーズ」だ。

 

「深夜便かがく部」は、第2月曜日に生物学者本川達雄さんが生物学の話をされた後、その日のテーマに合わせて、自分が作詞作曲した曲を自ら歌って披露する。学者先生が、よくぞここまでするものと感心する。

 

「深夜便ぶんか部」は昆虫の話、縄文文化の話、等が聞ける。

 

「深夜便ビギナーズ」は、第2土曜日の森田美由紀アンカーと芸人の藤井隆さんそして第3土曜日の後藤繁栄アンカーと歌手の早見優さんのミッドナイトトークが面白い。毎回テーマを決めて、事前に募集したリスナーのお便りを読みあげ、自分たちの体験も交えながらトークを進める。

 

森田美由紀さんは、一時期ゴールデンタイムのニュースキャスターや、紅白の司会も務めた北海道出身のNHK花形アナウンサーだった人だ。深夜便のアンカーとしても、森田さんらしく上品にそつなくこなしている。

 

後藤繫栄さんは、Eテレきょうの料理」の司会を長く務め、ダジャレを頻繁に使うNHKのアナウンサーらしからぬ人だ。深夜便では後藤さんの飾らない人柄と、早見さんとの絶妙のコンビで、笑いを誘うトークが楽しい。

 

 

⑤ TBS 「こんばんは!吉永小百合です」 日曜日 22:30~23:00

 

毎回欠かさず聞いているわけではないが、時間があれば聞いている。小百合さんの近況や、出演映画・ロケの話とか、旅の話(最近はコロナでほとんど無いが)とか、リスナーからのお便りの紹介を、途中音楽を交えながら放送している。

 

いつまでも若くて美しく品のある小百合さんの声を聞くのを、楽しみにしている世の中の根強いサユリストに支えられた番組だ。