台風15号が去った後、二日間35℃以上の猛暑日が続き、秋はどこへ行ってしまったのかと思っていたが、今日はまだ平年より暑いものの、空の雲とかに少しは秋が感じられるようになった。
写真ACより momo105さんの作品
「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
この歌は、日本人の繊細な感覚が上手く表現された歌として、この時期よく引用される古今和歌集の名歌であるが、私がこの歌を知ったのは中学2年の国語の授業だ。
国語の先生は、「秋来ぬと」の「来ぬ」は「こぬ」ではなくて「きぬ」と発音し「秋が来ない」のではなくて「秋が来たところだ」と説明していた。古文には現代文では無くなってしまった「完了形」の活用があったということを生徒に教えたかったのだと思う。
私は当時まだ英語の「完了形」の概念を十分理解していなかったので、日本語も古文では「完了形」があったと知り、大いに感心したものだった。
昼はまだ暑いが、朝晩は鈴虫など虫の声も聞こえ、秋の気配が感じられるようになってきた。