へんろ日記 8

1月23日にアップした「へんろ日記 7」の続きです。

 

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11月12日(日)(晴)(2017年/平成29年)

<21日目 黒潮町→足摺半島久百々(くもも)>

 

3:00 起床 昨日の記録整理(昨夜眠くて寝てしまった)

 

4:55 出発 五日連続の早朝出発だ。ゴルフ場ロッジの裏の扉から外に出る。外は街灯も無く真っ暗闇、林の中のゴルフ場に通じる道を、懐中電灯の灯りを頼りに歩く。道は曲がりくねっていて、歩行速度を上げると、灯りに照らされたところ以外は見えないので路肩へ突っ込んでしまう。

 

ただ、車は来ないので国道よりも安全かも、30分で一般道に出る。

 

6:10 大方郵便局前 このころから、猛烈に寒くなる。スマホで当地の気温を調べたら4℃だった。ヤッケを着たが、手が冷たい。

 

6:30 コンビニ L 温紅茶とエナジーゲルを購入。ザックから防寒着を取り出すべくザックのジョイントを外そうとしたが、手が縮かんで外れない。(ザックを肩から下ろせない。)近くにいたこれから仕事に行くオジサンに頼んで外してもらう。

 

持参した防寒着を全て着て、ようやく一息ついた。

 

8:15 ここまで来る間、昨夜食べた「鰹のたたき」か「うつぼのから揚げ」が当たったのか気持ちが悪い。正露丸を飲む。

 

車で通りかかったオバサンが、四万十大橋は大型農道を行けば早いと教えてくれた。標識は何もない。

 

9:45 四万十大橋 四万十川の最下流に架かる大橋で、渡るのに歩いて15分かかる。四万十川はこんな下流でも水は澄んでいて、この辺りは川幅も広く湖のようだ。

 

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10:20 大橋を渡ったところで、朝コンビニで買ったエナジーゲルを飲む。

 

11:50 新伊豆田トンネル ゲルのせいかトンネルまでの長い登坂と、トンネル通過はかなりのスピードで歩けた。(トンネルは1600m、通過に21分)

 

12:20 一の瀬水車 休憩中に明日の宿として、38番金剛福寺に予約電話を入れたが、不可であった。

 

14:10 下ノ加江中学校 1時間程前からバテバテで、朦朧として歩く。よく考えると、今日は朝から摂取したのは、エナジーゲルだけなのだから、バテるのは当然だ。水分も採っていなかったので、熱中症にならぬように、アクエリアスを一気飲みした。

 

15:00 久百々(くもも)の民宿K 何とか今日の宿にたどり着くことができた。

 

同宿者は、横浜のへんろ二回目区切り打ちの男性と、博多の区切り打ち若い女性だった。こちらがバテていたせいか、二人とも凄くタフに見えた。

 

本日は、昨夜の食事に当たったせいか、気持ちが悪く食欲も全くなかった。ホット紅茶とエナジーゲルのみで一日歩き、宿の食事も半分くらい残した。

 

 

21日目の歩数 57,300歩   歩行距離 37.2㎞

 

 

 

11月13日(月)(晴)

<22日目 足摺半島久百々(くもも)→土佐清水市

 

5:30 朝食 こんなに早く朝食を出してくれる宿は始めてである。早く出発したいへんろには誠にありがたい。宿で朝食を食べるのは、16日目の香南市S荘以来6日ぶりだ。

朝食は8割方食べることができた。

 

6:40 大岐浜海岸 ここは、へんろ全行程の中でも、景勝地として知られている。

 

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プロの写真家が撮ると下のように、詩情あふれる写真となる。

 

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<NHK趣味悠々 2006年9月~11月「四国八十八ヶ所はじめてのお遍路」掲載写真>

国道へ戻ってしばらくすると、昨夜同宿した若い女性の博多へんろが、私に追いついたので先に行ってもらう。

 

8:05 以布利 博多へんろが、海沿いのへんろ道に迷っていた。道を案内して、彼女は足が早いので再度先に行ってもらう。 

 

10:00 権現 窪津の先のバス停横の自販機で、暖かいお茶を買って、傍らの路上で休んでいると、近所のお婆さんに声を掛けられた。このお婆さん、話好きで自分の身の上話や世間話を語り始める。

 

自分は茨城県日立の出身で、結婚して旦那さんの実家である当地に来た。自分にとって自慢は、中村(四万十市)に住む娘が教員で、孫が愛媛大生だと嬉しそうに話す。30分程彼女の話を聞いて、まだ話したいようであったが、お婆さんに別れを告げて、足摺岬に向けて出発した。

 

11:20 足摺岬 岬の入り口で、地元中ノ浜出身のジョン万次郎の立派な像に迎えられる。

 

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展望台では、又、博多へんろと出会い、宿で作ってもらったおにぎりを太平洋を見ながら一緒に食べる。彼女は区切り打ちなので、39番延光寺を打って一旦博多へ帰るそうだ。

 

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12:10 38番金剛福寺 今夜の宿泊を予約したがダメだったところだ。広く大きなお寺さんで、池には錦鯉も泳いでいた。

 

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14:20 払川橋 この辺りは、3年前には無かったトンネルができており、そのお陰で大いに時間短縮できた。

 

15:00 中ノ浜峠 いろはす天然水を飲みながら休んでいると、博多へんろが中ノ浜集落方面から歩いてきた。彼女と道中で会うのは今日4回目だ。

 

彼女は、宿のおかみに推奨された所(多分ジョン万次郎の生家)へ行ってきたと言う。彼女の今日の宿は、昨日と同じ久百々の民宿。(次の39番へ行くには、昨日通った「新伊豆田トンネル」近くの市野瀬まで戻った方が、距離が短くなり、多くのへんろはそうしている。私は同じ道を通るのが嫌で別ルートを取っている。)

 

ここから久百々まではかなりの距離があり、この時間からすると到着は日没後になるだろう。若くてタフなのは凄いことだが、若い娘さんなので心配だ。彼女の無事を祈って別れる。今日彼女には何回も会って親しくなったが、一期一会の出会いを大切にしているので、名前は聞かなかった。

 

15:50 土佐清水の街は、清水港の一番奥に位置する。左に港と正面の街を見ながら湾岸沿いの道をひたすら歩く。土佐清水名物の宗田節(メジカ節)の工場があり、周り一帯に宗田節の良い香りが漂っていた。

 

16:40 土佐清水ビジネスホテルN到着 ホテルは想像したより立派で、昨日予約した時は和室と言われたが、禁煙の洋室が空いたということで、部屋が変更になる。久しぶりに机と椅子の生活を味わう。記録作業には断然こちらの方が快適だ。

 

ホテルに洗濯機がなく、少し離れた外のコインランドリーまで歩いて行く。ランドリーにホテルの鍵を忘れ、4往復することとなった。

 

このホテルも夕食が出ないので、近くの食堂に行く。地元名物の「清水サバ」(足摺の速い潮の流れで適度に脂ののった甘み豊かなゴマサバ)のお造り、うどん等を注文する。共に美味しかったが、特にうどんのつゆは、地元名産の宗田節でだしを取っていてコクがあり私好みの絶妙な味で満足した。

 

 

22日目の歩数 60,200歩  歩行距離 39.1㎞ 

 

 

 

11月14日(火)(雨)

<23日目 土佐清水市→竜串>

 

5:00 起床 天気予報どおり朝から 5mm位の雨が降っている。このところハードな工程が続いており、雨の予報もあり今日はゆっくり余裕を持って旅しようと思う。

このへんろ旅で始めての朝風呂に入る。

 

7:30 朝食 ホテルの人に弁当を部屋へ持ってくると言われたので、プラスチック容器に入ったほか弁のようなものを想像していたら、重箱に入って、予想よりかなり豪華な弁当だった。完食した。一昨日の気持ち悪さからは完全に回復した。

 

このホテルは、コインランドリーを除くと予想以上に快適だった。床がフローリングなのも初めての経験で、清潔感があって良かった。

 

10:00 出発 雨がかなり降っていたが、雨対策としてはレインコートと傘にした。

 

10:20 暑くてレインコートを脱ぐ。

 

11:20 あしずり港の海岸線を歩く。

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13:00 竜串(たつくし) 竜串には高知県立足摺海洋館がある。建屋の一部が海の中まで連なっていて、室内から海で泳ぐ魚などを観察できる。(水族館と逆) 海洋館の周りには観光ホテルも数件あり、土佐清水市は、足摺岬と並ぶ観光地として力を入れているようだが、人気はイマイチの様だ。

 

宿泊するホテルO 着  早い時間なのに部屋へ入れてくれた。このホテルの今日の宿泊客は私一人だった。

 

このホテルの裏側には広大なオレンジ畑があり、ホテルのオーナーはその農場のオーナーでもある。

 

 

23日目の歩数 20,400歩   歩行距離 13.2㎞

 

 

               ー続く(非定期)ー