処暑のころ

二十四節気では、今年の「処暑」は8月23日で、次の「白露(9月8日)」までの15日間くらいを「処暑のころ」と言うらしい。「処」には「止まる」という意味があり、暑さも一段落し、朝晩は涼しさのある風が吹き始めるころということだ。

 

ところが、今年の夏はそうはいかず、「処暑」になっても、暑さの止まる気配が全くみられず、連日猛暑日かそれに近い暑い日が続いている。気象庁も今年の夏について、「○○年ぶりの暑さ」では表現できず、「記録を取り始めてから最も暑い夏」と言って いた。

 

    写真ACより 「夏と秋の間の雲」 アタゴールさんの作品

 

 

今年の「処暑のころ」の一週間の日常を綴ります。

 

8月28日(月)

テニス/卓球の無い日なので、午前中に家事の布団干しと洗濯をする。今は洗濯物もハンガーにかけて物干竿に吊るせば、みるみる乾いて気持ち良い。

 

昼下がりの一番暑い時に、近所のドラッグストアに買い物に出かけた。家から5分程の近距離なので歩いて行く。店内は涼しくて快適だったが、買い物が多くなり、ティシュペーパー等の大きな荷物も加わり、それらを両手に持って酷暑の中を帰った。

 

たった5分程を歩いただけなのに、汗が吹き出しシャツはビショビショになった。テニスやスポーツでかく汗は、当たり前なので苦にならないが、日常の生活の中でかく汗は、気持ちが悪い。

 

買い物を片付けてから、Kさんに電話をかける。Kさんは、私が昔大所帯の卓球サークルの会長をしていた時、会計の役員として私を支えてくれた人だ。その後、私もKさんもそのサークルを辞めて、会う機会はなくなった。彼女は辞める時、これからは卓球教室のレッスンに通うと言っていた。

 

H卓球の合間に、仲間のFさんと話をしていて、FさんがKさんと中学校時代の同級生だと知った。FさんからKさんの名前が出た時、懐かしくなり、電話して近況でも尋ねてみようと思った。

 

Kさんと電話するのは1年半振りくらいか。電話が繋がり「今電話してもいいですか?」と訊くと「はい・・」と言ったものの、重い口調だった。こちらから、今回電話するきっかけとなったFさんとのことを話し、近況を尋ねると、「芳しくない」と言う。

 

「肺の病気を患い(具体的な病名も言ったが覚えられなかった)先月まで大学病院に入院していて、退院した現在も週3回点滴に通院している。食事を摂るのが苦しい」と話してくれた。

 

長電話も大変そうなので、「がんばってね」と言って、早々に電話を切る。電話の後、体調が悪い時に、ぶしつけの電話をして悪かったなと反省する。短い会話から、Kさんが現状を悲観し、落ち込んでいる様子が窺えた。

 

なんとか慰めて励ましてあげたいのだが、言葉が出てこなくてもどかしい。一日も早く元の元気な姿に回復するよう陰ながら祈るしかないのか・・・。

 

8月29日(火)

朝起きて、スマホで当地の1時間ごとの天気予報を見ると、12時、13時の予想気温は、35℃である。猛暑日のテニスについては、テニス開始時刻の予想気温が35℃以上の時は、熱中症対策として欠席することに決め、その旨テニス仲間にも連絡してあった。

 

今日のテニス開始は12:30、上記に該当するので、本日欠席の通知をLINEメールで送信する。火曜テニスのメンバーは8人であるが、私のメールの後、6人から参加の連絡があり、欠席は私を含めて2人だった。皆さんお元気な方が多く、6人で開催したようだ。

 

15:00に、冷房の効いた公民館でのS卓球に行く。半年ほど前にこのサークルに新しく入会したEさんが、「日本百名山」を全山登頂したと聞き、その話を伺った。時間が無くて細かいことは訊けなかったので、これから少しずつ体験談を聞いていこうと思う。

 

8月30日(水)

先週雨天コート不良で中止になった水曜早朝テニスに出かける。天気予報は、今日も暑く猛暑日になりそうなので厳重注意を呼び掛けていた。1時間ごとの気温予想は9時30℃、10時32℃、11時33℃だった。

 

この日の参加者は5人だったので、4ゲーム連続出場となる。早朝と言えどもオムニコート砂入り人工芝)の照り返しは強く、連続プレイは身体に堪(こた)えた。

 

10:30に次の予約サークルの人達と入れ替わりの交代になる。コート周りには沢山の年配のプレイヤーが溢れ、「この暑い中、お元気な方が多いな~」と感心する。

 

テニス後、SさんとMACへ。9月10日から始まる大相撲秋場所での朝之山の成績を二人で賭ける。11勝4敗以上であれば私の勝ちだ。

 

8月31日(木)

今日も朝から晴れて暑い。月曜日に続いて本日もテニス卓球が無いので、部屋の掃除や風呂掃除、段ボール箱の片付けをした。夏の掃除は直ぐに汗が出て苦手なので、普段は汚れが目立つところを、チョコチョコっとして済ませてしまう。

 

段ボールは、毎週買う天然水の空箱が20箱近く、それに通販や頂いた贈り物の空箱が相当溜まっていた。掃除が終わったらすぐシャワーを浴びるつもりで、気合を入れて取りかかる。汗がぼたぼたと床に滴り落ちる。床の汗をティッシュで拭きながら作業した。空段ボールを見る度に「やらなくては」と思いつつ後回しにしてきたが、やっと片付いた。

 

夜、13年振りと言われるスーパーブルームーンを見るつもりでいたが、見忘れてしまった。   

 

9月1日(金)

8:30リハメンテへ行く。Yさんとのお喋りタイムでは、昨夜のバスケットW杯ベネズエラ戦で日本が残りの2分で、劇的に逆転して勝った話で盛り上がる。Yさんの次男もバスケをやっており、彼女もその応援で何度も試合を見に行っているので、バスケには詳しい。「春のWBCといい、昨日のバスケといい興奮したよ」と嬉しそうに語っていた。

 

バランストレーニングで、ポールに軽く手を付いてつま先立ちになり、片足を上げたり回したりする運動が上手くできない。もう半年近くやっているのに・・・。

 

9月2日(土)

午前中にスーパーへ買い出しに行く。いつものHさんにレジしてもらう。酒好きのHさん、目ざとく「家呑みおつまみ・鰊の酢漬け」を見付け「ワッ!これ美味しそう」と言う。「酒の肴に良いよ。Hさんも試したら」と返事した。

 

午後はH卓球だ。冷房をガンガン効かせてやるので、汗はほとんどかかない。久しぶりに9人が参加したので、1台を2人だけで使えるのは、3台中1台しかない。賑やかでそれはそれで楽しいので、仕方がない。

 

8月からこのサークルの代表をISさんから引き継いだ。毎月の部屋の予約、メンバーへの練習日の連絡など雑用が増えた。

 

9月3日(日)

名古屋からこちらに出てきて数年後に帰省した時、中学時代の友人に会った。その時私は独身で彼は結婚していた。会話で彼は「女の子が生まれたんだよ。9月3日に生まれたので『クミコ』と名付けたよ」と嬉しそうに言った。その『クミコさん』は、今幾つになったのだろう?今日は9月3日で、はるか昔のことがふと蘇った。