旅の計画

年が明けて、今年の目標の一つに旅行を掲げておられる方も多いと思う。

私も若いころから「旅」は好きで、始めて訪れる土地の風景や人々に接することは、自分にとって非常に良い刺激となり、私の好奇心を満たしてくれた。

 

今年も年頭に当たり、今年の旅は何処にしようかと考えた。しかし保留となっている案件はあるものの、元来が優柔不断の私はその旅を今年実行するかどうかは決めかねている。それ以外の別の場所は、今具体的に思い浮かばない。

 

今回は、これまでに検討はしたが実行していない旅について綴ります。

 

 

1⃣ ユーラシア大陸横断バス旅行

旅は、行きたい所を決めて、ルート、交通手段、宿の手配等全て自分でやることが基本と考えていたので、旅行会社の観光団体旅行には興味が無かった。

 

しかし、10年程前、近畿日本ツーリストが企画する「ユーラシア大陸バス旅行」というものがあると知って、興味が湧いて資料を取り寄せた。

 

これは、中国の西安(昔の長安)からシルクロードを通って中央アジアペルシャイスタンブールへ抜け、ここからヨーロッパに入りローマを経由して、ユーラシア大陸最果ての地ポルトガルロカ岬を目指すバス旅行だ。

 

全長15,000㎞を約2ヶ月かけて走破するバス旅行だ。費用は350万円。

 

シルクロード敦煌は中学時代から憧れの地でもあり、生涯に一度は訪れてみたい所であった。本当は沢木耕太郎の「深夜特急(香港からイギリスのロンドンまで路線バスを乗り継いで旅した記録)」のように、全部自分で出来れば理想ではあるが、大陸横断ともなると、年齢的にも体力的にも旅行会社の助けを借りるのも仕方ないか思った。

 

旅行会社のバス旅行と言っても、連日のバス移動というかなり肉体的にもハードな内容で、食事や中東の通過地点の治安等にも問題があるようだった。それと高額な旅行代金は、自分にとってこの旅に賭ける思いに値するのか測りかねた。

 

結局この旅は、旅行会社の資料を眺めただけで終わった。その後、このバスツアーは募集を中止しているようだ。

 

 

2⃣ 三回目の四国遍路旅

国内旅行では、歩いての四国遍路旅を二回経験した。二回目の記録については、「へんろ日記」として、非定期でこのブログに掲載させてもらった。(2021年10月20日~2022年12月11日)

 

二回とも自分の中では貴重な体験ができたと満足している。そして現在、もう一度三回目(逆回り)ができないか逡巡している。

 

歩き遍路で回るには、①時間 ②金 ③体力の三つが揃わないとできない。①は十分あり②は何とかなるが、問題は③の体力だ。一周を何分割かに分ける「区切り打ち」なら少しは難度も減るだろうが、行くからには「通し」で一回で回りたい。

 

ニ回目の遍路の時、徳島県の宿で、札幌から来たお遍路さんと同宿し夕食を共にした。彼は、その時が遍路10回目で、その日は満80才の誕生日だと言った。その人は外見では体付きが頑健そうには見えず、むしろ華奢な感じの「普通のお爺ちゃん」だった。

 

「札幌のお遍路さんを目標に、頑張ってみようかどうしようか」とか、「それには歩きのトレーニングが必要だな」とか「今務めているH卓球の代表を、留守中誰に頼もうか」と逡巡は続く。

 

 

3⃣ JR各駅停車旅/北海道牧場トレッキンング

この旅は、2018年に計画したものである。

JRの「北海道東日本パス」という「青春18きっぷ」に似た切符を使用して、自宅から各駅停車の列車を使って北海道の根室まで行き、その先は道東の牧場を歩いて摩周湖を目指し網走へ行き、網走からは、飛行機ではなく鉄道を利用して帰ってくるというものだ。

 

隠れ鉄ちゃん(鉄道オタク)でもある私の「乗り鉄」と「道東トレッキング」という私の好みを兼ね備えたプランだった。

 

2018年9月末に出発する予定で、準備万端整えた9月6日に「北海道胆振地震」が発生した。私が乗る予定のJR各線の多くが不通となり、この年の出発は断念した。

 

翌2019年は、卓球サークルの代表を務めていて長期休暇は取れず、翌2020年からはコロナ禍で実行できなかった。

 

この旅は計画しただけで、日の目を見ないものになっていた。列車時刻や工程もかなり細かく検討していたので、このブログに全て創作でのエア旅行(仮想旅行)を「時刻表旅1~4」と題して掲載させてもらった。(2020年9月23日~10月23日)

 

仮想の紀行文を書き終わると、何だかその地を実際に旅して来たかのような錯覚に陥った。留萌や根室の街並み、富良野線花咲線の沿線風景が頭に浮かび、増毛の「タコザンギ(たこの唐揚げ)」は食べたこと無いのに、舌に残っているような感覚だ。

 

コロナも規制が解除され、今年は実行しようと思えば叶うであろうが、計画から6年もたったからか、どういう訳か行きたいと言う情熱というかモチベーションが高まらない。

 

この旅についても逡巡している。

 

 

大きな旅となると、旅行前の心構えは確たるものが必要だ。今のところ、そのようなものは、心の中で熟成されていないので、今年は、1~2泊の小さな旅から計画してみようと思う。